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4. ニュース転送ソフトウェア

最近の *nix 用ニュース転送ソフトウェアには、Cnews と INN の2つがあり ます。古い Bnews は、今後バージョンアップもサポートもされないことが作 成者から公式に宣言されました。

ニュース転送ソフトウェアは、記事の投稿を受け付け、配送し、ニュースリー ダで読めるようにするソフトのことです。

UUCP の Permissions ファイルに絶対パスで rnews を記述し、ニュースリー ダから inews と mail が利用できるように設定すれば、何処に置いてもかま いません。

重要:Cnews と INN の混用は厄介なだけです。どちらか一つだけを使いましょ う。 Cnews と NNTP の Reference Release は始めから相性よく作られていま すから、両方インストールしても問題ありません。

4.1 Cnews Performance Release

Cnews は現在標準的に使用されているニュースソフトウェアです。 1988 年に 公開され、改良が続けられています。

Cnews の主な利点は、その完成度にあります。文字通り世界中の幾千のシステ ムで動作していますので、知られている全ての *nix マシンで動作するでしょ う。

欠点は、モデム経由での UUCP 接続しか考えられていないために、リアルタイ ムにインターネットで配送し読むためには NNTP ソフトウェアを追加しなけれ ばならないことでしょう。

さらに各種ニュースリーダ用の外部スレッドパッケージが必要です。しかし現 在でも、少しは役に立つ NOV パッケージへの接続が可能ですし、もうすぐ公 開される Cnews cleanup release では正式に対応するという話です。

いずれにせよ、安定してる、文書が豊富、どんな質問にも答えてくれる経験豊 富な管理者が沢山いる、等の理由から、 USENET の管理を始める人はまず Cnews を動かすのが良いでしょう。

sunsite にある newspak-2.1.tar.z には、Linux で Cnews を動かすための設 定ファイルや、bash1.12 で doexplode をメイクする際に発生する問題 (Linux のアーカイブサイトに置かれている bash1.13 を使えば発生しません が ) を回避するためのパッチが含まれています。

Cnews のインストール

ドキュメントを読めば、 Cnews Performance Release はまったく問題なくイ ンストールできます。 Cnews Performance Release のインストールはマニュ アルを読んでください。ソースファイルを入手し、展開して、マニュアルの手 順に従うだけです。

newspak に含まれている build.def は最初に build を実行し、単に /usr/include のファイルから答えを調べて、生成されたものです。

コンパイルは何回か止まるでしょう。いずれも gcc で問題になる atoi() と atol() マクロを、 doit.bin からコメントアウトしなければなりません。

また、 bash 1.12 のバグを回避するように doexplode に次のパッチが必要で す。このパッチを使わなければ下流サイトには何も送られません。

  ( Steve Robbins 氏 <steve@nyongwa.cam.org> から )

  if [ ! -f $f ] ; then continue; fi        # この行を追加
  #       case "$f" in                      # この行をコメントアウト
  #       "out.master/[0-9]*")    break ;   # この行をコメントアウト
  #       esac                              # この行をコメントアウト

Cnews に詳しい Henry Spencer 氏によると、 doexplode と bash で現在問題 になっているコードについては、新しいリリースでの修正項目になっているそ うです。

Linux 用の bash 1.13 β版でもこのパッチが必要かどうかは現時点では不明 です。私は、新しい bash とライブラリでパッチ無しに切替えましたが、落ち た事はありません。 ( 何が良かったのかは分かりませんが :-)

Cnews の設定

少なくとも、/usr/local/lib/news にある以下のファイルは編集しなければな りません。

active : active ファイル
batchparms : バッチパラメータ
explist : 記事の時効の設定
mailname : メールでリプライするためのヘッダ内の名前
mailpaths : 査読のあるニュースグループへの投稿用アドレス
organization : あなたの組織名
sys : ニュースグループの取捨を選択
whoami : Path: 行に設定するホスト名

Cnews サイトの管理

まず、専用のユーティリティがあるファイルを直接エディタなどでいじるのは 止めた方が良いでしょう。特にニュースの配送と active ファイルの設定では、 それぞれ addfeed や addgroup などのコマンドを使って下さい。迷った時に は、ソースに含まれている文書を何度も読んで下さい。

その他は全部 cron から起動します。私の crontab の news に関する部分は 下のようになっています。

# 他システムから送られてきた圧縮済みデータの取得
20 *           * * * /usenet/sw/news/bin/input/newsrun  

# 送信用のファイルをまとめる
0 *    * * * /usenet/sw/news/bin/batch/sendbatches myfeedsite

# 時効記事の削除
59 0           * * * /usenet/sw/news/bin/expire/doexpire 

# ニュースを監視し、必要なら報告
10 5 * * * /usenet/sw/news/bin/newsdaily 
00 5 * * * /usenet/sw/new/bin/newswatch 

# 受信ニュースデータの処理の停止( 6:30am - 4:00pm )
30 6           * * * /usenet/sw/news/bin/input/newsrunning off 
00 16          * * * /usenet/sw/news/bin/input/newsrunning on 

4.2 InterNetNews (INN)

INN は比較的新しく、完成度が高まるにつれ人気が出てきました。主な利点は、 スピードと nntp パッケージを統合して含んでいることです。主な欠点は、新 しいことと、標準的な *nix でもインストールや動作が必ずしもすんなりとは 行かない事でしょう。また、メモリ使用量とスピードの兼ね合いになりますが、 常に動いているデーモン(innd)と、オーバチャネルになる可能性を秘めたス レッド用デーモンを用いて動作するのも欠点でしょう。

新しい USENET 管理者は、B-news か Cnews のどちらかを経験するまでは、 INN は止めた方がいいでしょう。Linux 上でも高速で信頼性がありますが、ニュー ス管理の初心者用の文書はありません。(ただし、実際には、設定がわかれば 後は比較的簡単です。)

INN はパーミッションにとても厳重ですから、それらを修正しないで下さい。

INN はまた、同時に動かされている TCP/IP の品質にとても厳格です。現在の Linux では必ずしも当てはまりませんが、 Linux の有名なアーカイブサイト から Linux 用の INN を入手される事をお勧めします。

INN のインストール

( Arjan de Vet 氏 <devet@info.win.tue.nl から )

私は、Linux で INN 1.4 を動かすためのパッチと設定キットを作りました。 ftp.win.tue.nl の /pub/linux/ports ディレクトリにある inn-1.4-linux.tar.gz です。

INN は /bin/sh の互換品に非常に依存します。私は Linux 用に公開され、普 通のアーカイブサイトに置かれている bash 1.13 β版を使っています。 bash 1.12 では、(他にもあるでしょうが)ニュースグループを正しく扱えない等 のいくつかの問題が起きます。

inn の設定

基本的に Arjan の手順に従えば全て設定できますので、要約だけ書きます。

INN を動かすのなら、Arjan 氏が勧めるように syslogd のファイルを確実に 定義しましょう。大変、役に立ちます。

INN の壮観な (!!!!) FAQ が、 rtfm.mit.edu に毎月出されています。一見の 価値はありますので、読んで下さい。

inn サイトの管理

INN サイトの管理と配送は、cron を使うこと以外ありません。基本的に必要 な crontab は、下のようになります。

# 日常の管理、または時効になった .overview データベースと、記事の削除
1 0 * * * /usenet/sw/inn/bin/news.daily expireover delayrm < /dev/null

# 記事の送信
5 * * * * /usenet/sw/inn/lib/send-uucp

( bash1.13 を使っているのなら、上の < /dev/null はいりません )

4.3 その他のニューストランスポートエージェント

その他のニューストランスポートエージェントとして、以下のものも Linux で動くことが知られています。

  dynafeed, nntp1.5.11, slurp1.05


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