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2. あなたの Linux システム側での準備

おおまかにいえば、以下のような作業が必要です。これらについては後で詳しく説明 します。

上記のことがらの他に、あなたのリモートホストの OS に合った TIA のバイナリを インストール(もちろんリモートホスト上に)する必要があります。これに関しては、 TIA のホームページに詳しく書いてあります。

注意:
TIA 2.0.5 が完成しました。新しいバージョンでは CSLIP と PPP が新にサポート されました。CSLIP を使うにはほんの少し設定に変更が必要なのですが、この ことについてはあとで触れます。また、PPP については、新しい PPP HOWTO ( 日本語訳) が完成しつつあるので、そちらを参照して下さい。

では、はじめましょう!

2.1 カーネルの再構築

もしいままでカーネルを再構築したことがないのならば、再構築しなくてはいけません 。「再構築」などと言っても、べつにそれほど難しいわけではありません。まずFAQ集 などをよく読んで、もしそれでも不明な点があればメールを下さい。

では、かいつまんで説明しましょう。まず「make config」コマンドで セットアップを開始します。最初に「Network Devices」のセクションで、 「y」と(もちろん!)答えて下さい。すると、いろいろと詳しい設定を聞かれますので、 SLIP と TCP/IP のサポートのみ「y」と答え、それ以外の質問には特に必要のない限り 「n」と答えて下さい。ethercard や、SLIP と TCP/IP 以外のプロトコルのサポート が必要な場合は適宜「y」と答えて下さい。( TIA 2.0.5 以上のバージョンを使う人 は CSLIP に関しても「y」と答えて下さい) SILP と TCP/IP のサポートがない カーネルでは TIA に接続出来ません!あとは新しいカーネルをコンパイルして、 正しくインストールして下さい。

2.2 /etc 以下のファイルを編集する

/etc 以下のファイルで、あなたの Linux システムからリモートホストまで のルートを設定します。/etc ディレクトリはシステムの諸設定をするため のものです。以下に挙げる例を参考にして、あなたのシステムに合うように ダブルクオート("")内を書き換えて下さい。(書き換える際にダブルクオートは書く 必要がありません。ダブルクオートは単に書き換える場所を示しているだけです) TIA を使うためには /etc 以下の3つのファイルを編集する必要があります。 それら3つのファイルとは、

また、NNTP サーバを使う時は、以下を /etc/profile に付け加えて下さい。

export NNTPSERVER="remote.hosts.nntpservername"

Dip について

Dip とは、リモートホストへ電話をかけて TIA を起動し、回線を SLIP 接続にする ためのソフトウェアです。Dip は Slackware パッケージの「N」ディスクセットの中に 含まれています。「N」ディスクセットにはたくさんのクライアントやユーティリティ が含まれていて、そのなかのいくつかはあなたもインストールすることになる でしょう。=) 「N」ディスクセット以外でも、Sunsite で別個に tar された Dip が 入手できます。

Dip をインストールしたら、正しく接続するために Dip 用のスクリプトを書かなけれ ばいけません。以下に挙げる例を参考にして、ダブルクオート("")で囲まれた部分を あなたのシステムに合うように書き換えて下さい。(前章同様、ダブルクオートを つける必要はありません)

----------CUT HERE--------------------------------

main:
  get $local "your.hostname.domain"
  get $remote "remote.hostname.domain"
  port cua"?"                   #<-- モデムが繋がっているポート
  speed 38400                   #<-- 新しいカーネルなら57400まで早くする 
  reset                         # 事が可能です。
  init AT "string of commands"  #<-- 「AT」の直後にスペースを入れないこと
  wait OK 5

# このスクリプトではリダイアルをします。もしうまく動かなかったら、wait time
# を書き換えてみて下さい。もしそれでもうまく動かないようでしたら、筆者に
# メールで質問して下さい。
# また、このスクリプトの最後に注意が書いてあるので、そちらも確認してくださ
# い。

dial:
  dial "phonenumber"
  print Dialing...
  if $errlvl != 0 goto error
  wait BUSY 20                  #<-- ここのwait timeをあなたのモデムに合う
  if $errlvl == 0 goto dial     # ように書き換えて下さい。  

login:
  print Connected and Logging in...
  wait ==> 60                   #<-- この部分のwaitとsendは筆者のホストへ接 
  send 4\n                      #<-- 続するための設定なので書き換えて下さい
  wait ogin: 60
  if $errlvl != 0 goto login_error1
  send "LOGIN"\n
  wait assword: 60
  if $errlvl != 0 goto login_error2
  send "PASSWORD"\n

loggedin:
  wait "SYSTEM PROMPT" 60
  if $errlvl != 0 goto shell_error
  send tia\n
  wait software. 60
  if $errlvl != 0 goto tia_error
  print Starting TIA...
  get $mtu 296          #<--TIAは1500を推奨しているようですが、この設定のほ
  default               #うがインタラクティヴなセッションは早くなります。
                           #ただしFTPは遅くなるので、好みで書き換えてください.

done:
  print CONNECTED to $remote with address $rmtip
  mode SLIP
# TIA 2.0.5 を使う人は上記の設定を 
# 「mode CSLIP」と書き換えて下さい。
  goto exit

error:
  print Dialing Error

login_error1:
  print No Login

login_error2:
  print No Password prompt

shell_error:
  print No shell prompt

tia_error:
  There was a problem starting TIA

exit:
  \r            #<-- -vオプションをつけて起動するとここの部分でエラー
                # が出て止まってしまいます。でも普通に起動した場合は
                # エラーが出ません。

   -------------CUT HERE-----------------------------

Dip に関する諸注意

新しいバージョンの Dip は、モデムのステータスコードを文字列(BUSY とか NO CONNECT など)で返さず、数字で返します。下記の一覧を参照して下さい。

0 = OK 
1 = CONNECT 
2 = ERROR 
3 = BUSY 
4 = NO CARRIER

したがって、新しいバージョンのものを使う場合はサンプル中の「dial」 セクションを下記のように書き換えて下さい。

dial:
  dial "phonenumber"
  print Dialing...
  if $errlvl != 0 goto error
  wait 1 20     
  if $errlvl != 1 goto dial

この部分はに関しては Lee Olds 氏 (lee@eskimo.com) が指摘してくれました。

サンプル中の\n\r はそれぞれ、\n = newline, \r = carriage return の意味です。 これらのどちらか(または両方)が正しい場所に記述されていなければいけません。もし サンプル中の \n\r に問題があるようでしたら、適宜変更 して下さい。

Dip 用のスクリプトを編集したら、そのファイルを(例えば) remote.dip というような名前で /root ディレクトリに置いて下さい。そして、root 権限で「dip remote」とコマンドを打てば、そのスクリプトが実行されます。 また、最初にスクリプトを実行させる時は、-v オプションをつけて(例えば 「dip -v remote」というように)起動するとデバッグが可能です。 (スクリプト中のすべてのステップを表示します)

Dip は root 権限でのみ実行できます。しかし一般ユーザ権限で実行する方法も いくつか存在します。もしその方法が知りたければ、直接質問してください。 問い合わせが多ければ、その方法を今後この HOWTO ドキュメントに付け加える かもしれません。

もし Dip がすぐにエラーで止まってしまう様ならば、# で始まるコメント を削除してみて下さい。


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