おおまかにいえば、以下のような作業が必要です。これらについては後で詳しく説明 します。
/etc
ディレクトリ以下のいくつかのファイルを編集する。上記のことがらの他に、あなたのリモートホストの OS に合った TIA のバイナリを インストール(もちろんリモートホスト上に)する必要があります。これに関しては、 TIA のホームページに詳しく書いてあります。
注意:
TIA 2.0.5 が完成しました。新しいバージョンでは CSLIP と PPP が新にサポート
されました。CSLIP を使うにはほんの少し設定に変更が必要なのですが、この
ことについてはあとで触れます。また、PPP については、新しい PPP HOWTO
(
日本語訳) が完成しつつあるので、そちらを参照して下さい。
では、はじめましょう!
もしいままでカーネルを再構築したことがないのならば、再構築しなくてはいけません 。「再構築」などと言っても、べつにそれほど難しいわけではありません。まずFAQ集 などをよく読んで、もしそれでも不明な点があればメールを下さい。
では、かいつまんで説明しましょう。まず「make config
」コマンドで
セットアップを開始します。最初に「Network Devices
」のセクションで、
「y」と(もちろん!)答えて下さい。すると、いろいろと詳しい設定を聞かれますので、
SLIP と TCP/IP のサポートのみ「y」と答え、それ以外の質問には特に必要のない限り
「n」と答えて下さい。ethercard や、SLIP と TCP/IP 以外のプロトコルのサポート
が必要な場合は適宜「y」と答えて下さい。( TIA 2.0.5 以上のバージョンを使う人
は CSLIP に関しても「y」と答えて下さい) SILP と TCP/IP のサポートがない
カーネルでは TIA に接続出来ません!あとは新しいカーネルをコンパイルして、
正しくインストールして下さい。
/etc
以下のファイルを編集する
/etc
以下のファイルで、あなたの Linux システムからリモートホストまで
のルートを設定します。/etc
ディレクトリはシステムの諸設定をするため
のものです。以下に挙げる例を参考にして、あなたのシステムに合うように
ダブルクオート("")内を書き換えて下さい。(書き換える際にダブルクオートは書く
必要がありません。ダブルクオートは単に書き換える場所を示しているだけです)
TIA を使うためには /etc
以下の3つのファイルを編集する必要があります。
それら3つのファイルとは、
/etc/hosts
:
127.0.0.1 localhost
192.0.2.1 "your.hostname.domain"
"XXX.XXX.XX.XX" "remote.hostname.domain remote" #<- ホストの略称も付記
/etc/host.conf
:
order hosts, bind
multi on
/etc/resolv.conf
:
domain "yourdomainhere"
nameserver "XXX.XXX.XX.XX" #<- 普通は/etc/hostsのリモートホストと同一
また、NNTP サーバを使う時は、以下を /etc/profile
に付け加えて下さい。
export NNTPSERVER="remote.hosts.nntpservername"
Dip とは、リモートホストへ電話をかけて TIA を起動し、回線を SLIP 接続にする ためのソフトウェアです。Dip は Slackware パッケージの「N」ディスクセットの中に 含まれています。「N」ディスクセットにはたくさんのクライアントやユーティリティ が含まれていて、そのなかのいくつかはあなたもインストールすることになる でしょう。=) 「N」ディスクセット以外でも、Sunsite で別個に tar された Dip が 入手できます。
Dip をインストールしたら、正しく接続するために Dip 用のスクリプトを書かなけれ ばいけません。以下に挙げる例を参考にして、ダブルクオート("")で囲まれた部分を あなたのシステムに合うように書き換えて下さい。(前章同様、ダブルクオートを つける必要はありません)
----------CUT HERE--------------------------------
main:
get $local "your.hostname.domain"
get $remote "remote.hostname.domain"
port cua"?" #<-- モデムが繋がっているポート
speed 38400 #<-- 新しいカーネルなら57400まで早くする
reset # 事が可能です。
init AT "string of commands" #<-- 「AT」の直後にスペースを入れないこと
wait OK 5
# このスクリプトではリダイアルをします。もしうまく動かなかったら、wait time
# を書き換えてみて下さい。もしそれでもうまく動かないようでしたら、筆者に
# メールで質問して下さい。
# また、このスクリプトの最後に注意が書いてあるので、そちらも確認してくださ
# い。
dial:
dial "phonenumber"
print Dialing...
if $errlvl != 0 goto error
wait BUSY 20 #<-- ここのwait timeをあなたのモデムに合う
if $errlvl == 0 goto dial # ように書き換えて下さい。
login:
print Connected and Logging in...
wait ==> 60 #<-- この部分のwaitとsendは筆者のホストへ接
send 4\n #<-- 続するための設定なので書き換えて下さい
wait ogin: 60
if $errlvl != 0 goto login_error1
send "LOGIN"\n
wait assword: 60
if $errlvl != 0 goto login_error2
send "PASSWORD"\n
loggedin:
wait "SYSTEM PROMPT" 60
if $errlvl != 0 goto shell_error
send tia\n
wait software. 60
if $errlvl != 0 goto tia_error
print Starting TIA...
get $mtu 296 #<--TIAは1500を推奨しているようですが、この設定のほ
default #うがインタラクティヴなセッションは早くなります。
#ただしFTPは遅くなるので、好みで書き換えてください.
done:
print CONNECTED to $remote with address $rmtip
mode SLIP
# TIA 2.0.5 を使う人は上記の設定を
# 「mode CSLIP」と書き換えて下さい。
goto exit
error:
print Dialing Error
login_error1:
print No Login
login_error2:
print No Password prompt
shell_error:
print No shell prompt
tia_error:
There was a problem starting TIA
exit:
\r #<-- -vオプションをつけて起動するとここの部分でエラー
# が出て止まってしまいます。でも普通に起動した場合は
# エラーが出ません。
-------------CUT HERE-----------------------------
新しいバージョンの Dip は、モデムのステータスコードを文字列(BUSY とか NO CONNECT など)で返さず、数字で返します。下記の一覧を参照して下さい。
0 = OK
1 = CONNECT
2 = ERROR
3 = BUSY
4 = NO CARRIER
したがって、新しいバージョンのものを使う場合はサンプル中の「dial
」
セクションを下記のように書き換えて下さい。
dial:
dial "phonenumber"
print Dialing...
if $errlvl != 0 goto error
wait 1 20
if $errlvl != 1 goto dial
この部分はに関しては Lee Olds 氏 (lee@eskimo.com) が指摘してくれました。
サンプル中の\n
と \r
はそれぞれ、\n = newline
,
\r = carriage return
の意味です。
これらのどちらか(または両方)が正しい場所に記述されていなければいけません。もし
サンプル中の \n
か \r
に問題があるようでしたら、適宜変更
して下さい。
Dip 用のスクリプトを編集したら、そのファイルを(例えば) remote.dip
というような名前で /root
ディレクトリに置いて下さい。そして、root
権限で「dip remote
」とコマンドを打てば、そのスクリプトが実行されます。
また、最初にスクリプトを実行させる時は、-v
オプションをつけて(例えば
「dip -v remote
」というように)起動するとデバッグが可能です。
(スクリプト中のすべてのステップを表示します)
Dip は root 権限でのみ実行できます。しかし一般ユーザ権限で実行する方法も いくつか存在します。もしその方法が知りたければ、直接質問してください。 問い合わせが多ければ、その方法を今後この HOWTO ドキュメントに付け加える かもしれません。
もし Dip がすぐにエラーで止まってしまう様ならば、#
で始まるコメント
を削除してみて下さい。