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6. インストールとアンインストール、そしていくつかのトリック

 Umsdos のインストールは普通の(Ext2 ベースの)Linux システムと大差ありませ ん。

大きな違いは二つです。

6.1 疑似ルート /mnt/linux

インストールの典型的な手順は以下のようなものです。

  1. fdisk でパーティションを設定しフォーマットする。
  2. ルートディスクを /mnt にマウントする。
  3. パッケージをすべて /mnt にコピーする。

 Umsdos では、step 1 は必要ありません(再フォーマットしないことが Umsdos の 目的でしたね?)。

 単にすべてのパッケージを /mnt にコピーするだけで Umsdos システムをインスト ールすることができます。これで確かに動きます。しかし DOS のルートディレクトリ (C:\)に一群のサブディレクトリを作るので、それが気に入らないかもしれません。 それが疑似ルートを使って Umsdos のインストールを行う理由です。そしてこれが Ext2 のインストールと Umsdos のそれとの大きな違いです:(疑似ルートを使うと)す べてのファイルは /mnt/linux にコピーされます。

6.2 /mnt/linux の準備

 /mnt/linux は一般的なディレクトリではありません。正しく Linux の長いファイ ル名や特殊ファイル(リンク、デバイス)を正しく扱うために、ディレクトリの拡張 を行わねばなりません。/mnt/linux を拡張するのに必要な手順は以下の通りです。

  1. mkdir /mnt/linux
  2. umssync /mnt/linux

これだけです!

6.3 /mnt/linux が正しくセットアップされているか確認する

/mnt/linux のセットアップは上のように簡単なのですが、インストールパッケージ の中にはいまだに間違っているものがあります。どうしたものでしょう。

 インストール上の最大の問題は umssync プログラムの非互換性から生じます。 Umsdos は linux 1.1.88(はっきりとは思い出せません)にアップデートされ、 umssync の欠点はカバーされていないのです。Linux コミュニティの混乱を避けるた めに、必要とされる互換レベルというものをすべての Umsdos ツールにつけることに しました。古いバージョンのツールは単に排除されます。

 これは多くのディストリビューションがインストールディスク上の umssync ユー ティリティをアップデートしていないからだと思います。

このようなインストールパッケージがいまだにたくさんあるのです。結果として /mnt/linux が全く拡張されないため、長いファイル名が切り捨てられたり、特殊ファ イルが作成できなかったりします。

 何かうまくいっていないことがあるかどうか、インストールの最初にテストするこ とも可能です。Linux の仮想コンソールのメカニズムのおかげで、インストールプロ グラムを終了することなくこれを行うことができます。以下の手順を実行してみてく ださい。

  1. Alt-F2 を押す(Alt キーと F2 キーを同時に押す)
  2. root としてログインする
  3. cd /mnt/linux この作業を早くやりすぎると失敗します。パッケージの選択を終了した時点でこの 作業を行なうのが適当でしょう。
  4. >TOTO
  5. ls -l   TOTO という大文字の名前の付いた空のファイルがあるでしょう。小文字で見えた なら、それは何かうまくいっていないということです。umssync のステップをもう一 度実行してみてください。umssync は何回やっても問題は起きません。 umssync .  もしエラーメッセージがでなかったら、もう一度 TOTO テストをやってみてくださ い。もし TOTO がきちんと表示されたら、万事 OK です。このインストールで何かが おかしくても、単にほおっておきます。続けましょう。
  6. Alt-F1 を押してインストール画面に戻る

 もしテストに失敗したら、新しいルートディスクを使うことが一番よい解決方法で す。新しいバージョンの umssync をルートディスクに入れることにより解決できるで しょう。これは難しくありませんが既に稼働している Linux システムが必要になりま す。単にルートフロッピーディスクをマウントして、うまくいかない umssync を新し いものと取り替えればよいのです。

6.4 疑似ルートを離れるときに...(Oops releasing pseudo root ...)

Umsdos のインストールが失敗する時には、大抵この奇妙なメッセージが表示されま す。このメッセージは奇妙なものに見えますが、Umsdos のバグではありません。考え られる原因は次のとおりです。

残念なことに、最初のふたつ (インストールの問題) が起こった場合、インストール が不完全なままになります。その場合は、一旦それをアンインストールして ( 手順は次章で説明します)、再度インストールしなおしてください。

6.5 Umsdos システムをアンインストールする

 Umsdos とその疑似ルートメカニズムのおかげで、何の害もなくアンインストールで きます。DOS をブートし、linux ディレクトリを再帰的に削除するだけです。それだ けです。Umsdos は config.sys に特別なドライバを必要としませんし、linux ディレ クトリの外に何か特別のものを作ったりもしません。

6.6 Umsdos システムをほかの DOS ドライブに移動する

 これは Linux からでも DOS からでもできます。linux ディレクトリを再帰的に一 つのドライブからほかのドライブに移すだけです。その後、ブートの手順(普通、 loadlin コマンド)と /etc/fstab ファイルを変更する必要があるでしょう。

 Umsdos はどの DOS ドライブにも置くことができます。C: ドライブにインストール する必要はないし、一台目のハードディスクドライブにあるかどうかも重要ではあり ません。これは全く問題になりません。

実際、いくつかの異なったドライブに Umsdos のインストールをしてみるという実 験さえできます。

6.7 50 台の Umsdos システムをインストールすることについて

時間のないときに一抱えの Linux システムをインストールするのはどうでしょう?

 Umsdos システムは DOS の世界で生きています。Linux を簡単にインストールした いならこれは有利でしょう。

 あなたのサイトで Umsdos システムをインストールし、設定することができます。 あなたの選んだパッケージと設定に満足がいっているなら、DOS をブートして linux ディレクトリのすべてを DOS サーバにコピーすることができます。そして、あなたは 別の DOS ステーションに行き、ネットワークドライブからローカルドライブにファイ ルをコピーするだけです。これだけです。ブートスクリプト(Loadlinx)を修正して 起動できます。

 最小限の修正(ホスト名、IP アドレス)をすれば、誰でも簡単に、数分で Linux システムをインストールできるでしょう。

賢明なる読者は、Ext2 ベースのものも含むどんな Linux システムでも、稼働して いるシステムをコピーすることでインストールできることに気付くかも知れません。

何をしているかわからないインストーラによって、知らないうちに隠しファイルが インストールされることがないのは、Linux の美点の一つです。


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