ftape は世界各地の ftp サイトから入手できます.以下に主要2サイトを掲げます.
sunsite は ftape を探す場合の正式サイトです.これに対し pip は著者自身のプラ イベートサイトです.最新かつ最強の ftape をお探しの場合は,pip こそ最適の場所と 言えるでしょう(ここはベータテスター用の場所であることをお忘れなく)
将来的には,このセクションにインストール法の解説を記載する予定です.しかしそ れまでは,ftape 配布に付属している文書をお読みください.
ftape を動かすためには以下の3つのソースが必要です.
1.2.8 以前のカーネルに付属している modules-1.2.8 は使えないことに注意してくだ さい.モジュールを更新する際には,カーネルの更新も必要となります.
1.3.57 以前のカーネルおよび 1.2.x に付属している modules-1.3.57 なら問題なく使 用できます(モジュールパッケージの開発者である Bjorn Ekwall もこれの使用を推 奨しています).
新しいカーネル (1.1.85以降) にはローダブルモジュールという機能があります(Bjorn Ekwall, Jacques Gelinas 氏が開発したものです).これは(もし可能であればの話 ですが)古いカーネル用にコンパイルしたモジュールを新しいカーネルで使えるよう にする機能です.ローダブルモジュールをサポートしたカーネルをコンパイルするた めには,modules-1.2.8.tar.gz, modules-1.3.57.tar.gz パッケージのいずれかが必 要です.このパッケージは tsx-11.mit.edu, sunsite.unc.edu にあります.カーネ ルをコンパイルする前に,このパッケージをコンパイルしインストールして下さい.
1.3.57 から,いわゆるカーネルデーモン (kerneld) 機能が標準カーネルに搭載される ようになりました.カーネルデーモンというのは必要なモジュールを適宜ロード・ア ンロードする機能です.この機能を使うためには,カーネルデーモンを機能を備えて いる modules-1.3.57 のパッケージが必要です.
1.2.8 のパッケージは,ftape をカーネルにロードするときに発生する有名な (infamous) insmod Oops バグをフィックスしています.このバグの原因は,insmod が 4K バイトを越える静的データを含むモジュールを正しく取り扱えない点にありまし た.しかし,このバグがなくなった点を除いても,1.2.8 パッケージは長足の進歩を 遂げています.
1.2.8 は,必要なモジュールを自動的にロードする機能であるカーネルデーモン機能 を備えています.この機能を利用するためにはカーネル 1.2.x のパッチが必要です. 1.3.57 以降のカーネルの場合は,この機能は標準装備となっています(上の記述をも 参照してください)
ファイルを適当な場所で展開してください.それから modules-1.3.57 (あるいは
1.2.8) ディレクトリーに移動し,'make all; make install
' を実行します.
注意:ファイル及びマニュアルページをインストールするためにはルート権限が
必要です.
Linux 1.2 の公開後かなりの月日が経過し,ほとんどの人は 1.2(あるいは1.3)への 移行をすませたようです.まだ旧バージョンをお使いの方は,新しいバージョンを利 用するようになさるのがよろしいかと存じます.インストール法その他の点で使い易 くなった新バージョンのご使用をお薦めします.
カーネルは下記の他,世界各地のサイトで入手できます.
sunsite.unc.edu [152.2.22.81]: /pub/Linux/kernel/tapes/ tsx-11.mit.edu [18.172.1.2]: /pub/linux/sources/system/ ftp.funet.fi [128.214.248.6]: /pub/OS/Linux/PEOPLE/Linus/ ftp.cs.helsinki.fi [128.214.48.123]: /pub/Software/Linux/Kernel/
上記サイトには沢山のサブディレクトリ鴫があります. カーネル v1.2, v1.3 がある のは(ご賢察通り)v1.2, v1.3 というディレクトリ鴫です.
v1.2 が更新されるのは,重大なバグが見つかり,これに対する対処法が実用テストを 経て確立した場合だけです.従ってバージョンアップはかなり稀です.これに対し v1.3 は開発中のカーネルといえます.
トラブルの少ないカーネルをご希望の方は,v1.2 を選ぶほうがよいでしょう.他方, 実験的なものをお望みの場合(またお使いの CDROM 用ドライバーが v1.2 にはないよう な場合)には v1.3 が適しているでしょう.
ただし,v1.3 のカーネルは安定性の点では未知数であるということをよく肝に銘じて おいてください.カーネルのパッチ,コンフィグ,コンパイルを繰り返さなければな らないかもしれません.
カーネルソースは /usr/src/linux
に展開するのが普通です
(この方法に従うようお薦めします).
/usr/src
に移動し,tar xzf linux-1.2.13.tar.gz
(コンパイルするバージョンによって数字はもちろん変化します)を実行してください.
linux 及びそれ以下のサブディレクトリ鴫にカーネルソースが展開されます.
以上をまとめると
# cd /usr/src
# tar xzf linux-1.2.13.tar.gz
とすればいいわけです.
ついで linux ディレクトリ鴫に移動し,カーネルの設定を行います.以下のコマン ドを実行してください.
# cd linux
# make config
設定用スクリプトは,どのドライバーを組み込むのか?,どの機能を用いるのか(ネ
ットワーク,ファイルシステムなど)?に関する質問を次々に発します.v1.3.34 以
降のカーネルには ftape に関するオプションはありません.これは,ftape が
insmod
実行時にDMAバッファを配置するようになったためです.
つまりカーネルが ftape をサポートする必要はなくなったのです.
pre-2.04のftape 配布を入手なさった場合には,ダイナミックバッファ機能を
利用するためのパッチを著者のホームページから取得してください.
注:ftape をサポートしたカーネルに ftape モジュールを取り込んでも危険はありま せん.ただ dma にできる貴重なメモリーが 112Kb も少なくなってしまうだけの ことです.
v1.2 のカーネルを御使いの場合には,カーネルディレクトリ鴫周辺で若干の追加作業
が必要です.すなわち kernel/ksyms.c
にパッチを当てる必要があるのです.
パッチファイルは ftape-2.06b/linux-1.2/ksyms.patch です.
パッチを当てるためには以下のようにして下さい.
# cd kernel
# patch < ../../ftape-2.06/linux-1.2/ksyms.patch
# cd ..
(これは ftape のソースが /usr/src/ftape-2.06
にあると仮定した場合
のものです)
カーネルの設定が終わったら,「依存ファイル」を作り,次いでカーネルをコンパイ ルするという作業が必要です.以下のコマンドを実行してください.
# make dep
# make zImage
万事がうまくいけば,コンパイル済みカーネルが arch/i386/boot/zImage
にできているはずです.何らかのドライバーをモジュール化した場合には,'
make modules
'をも実行してください.
さあ,これで新しいカーネル用の ftape をコンパイルする用意が整いました(この時 点でリブートする必要はありません).まず,以下のようにしてディレクトリーを移 動してください.
# cd /usr/src/ftape-2.06
Makefile をいじって, コンパイルオプションをいくつか加えることもできます.
最も重要な点:お使いの gcc が v2.4.5 の場合には,'FTAPE_OPT
' に
`-DGCC_2_4_5_BUG
' を付け加えること.また Colorado FC-10,FC-20
コントローラーを使用する場合には,その旨を設定しておく必要があります.
ftape ドライバー開発に参加なさりたい方,開発の現況を知りたい方は,vger 上の
TAPE メイルリストへの参加をご検討下さい.メイルリストへ参加する際は '
subscribe linux-tape
'というメイルを majordomo@vger.rutgers.edu まで
ご送付下さい.参加申し込みを頂き次第,投稿法・メイルリスト脱退の方法を記した
挨拶状を送付いたします.
できません.これを可能にするための作業も行っていません.これに挑戦しようとい う方は,著者にまでご一報ください.今のところは,MessyDOS を使うか,あるいはフ ォーマット済みのテープを買うかのいずれかの方法しかありません.市販のフォーマ ット済みテープの中には不良セクタの検査をしていないものがあるので要注意です. 不良ブロックを発見すると ftape ドライバーは,警告を発します.ftape がフォーマッ ト済みテープに不良箇所を発見した場合には,DOS 用のソフトでもう一度ためしてみ てください.DOS 用プログラムでも ftape でも不良が見つかった場合には,フォーマッ トをやり直すのが得策でしょう.
注:新しいフォーマット済みテープを ftape で利用するためには,以下のコマンドで まずテープを消去する必要があります.
mt -f /dev/nftape erase
作動が確認されているソフトを以下に列挙します
以下のソフトにはバグがあることがわかっています.
実際問題として,DOS 用プログラムの大部分は問題なく利用できます.Conner Backup Basics v1.0 には parameter off by one というバグがありましたが (QIC-80 の特性 を正しく読み取れない場合がありました),v1.1 では修正されています.ftape は このバグを検出し,これを処理することができます.Dennis T. Flaherty (<dennisf@denix.elk.miles.com>) 氏からは「Conner C250MQ をお持ちの方は Conner (米国内なら1-800-4Conner )に電話して,v1.1 を入手することができる.更 に名目的なフロッピー代を払うだけでアップグレードを求めることも可能である. Windows 用の Colorado テーププログラムのなかにはセグメントナンバーに関する off-by-one エラーを含むものがある.ftape はこのバグを検出し,これを処理するこ とができる」との報告を頂きました.
Central Point Backup も使えます.ただしこのプログラムには,テープ上の不良箇 所を発見した場合に貴重なテープスペースを無駄にしてしまうという欠点があります.
注:上記リストに掲載されていない DOS 用のフォーマットプログラムをお使いになっ た場合には,著者(<khp@pip.dknet.dk>) までご一報ください.リストに追加 させていただきます.
フロッピードライブ・ftape は共に FDC および IRQ6 を必要としているので,この 二つを同時に使用することは不可能です.フロッピーディスクをマウントした状態で テープドライブにアクセスしようとした場合,ftape は「IRQ6がgrabできない」と いうメッセージを発したのち終了してしまいます.これが特に問題となるのは, 緊急ディスケットと ftape を組み合わせて使う場合でしょう.解決法としては, ブート・ルートディスクをラムディスクにロードし,それからフロッピーディスクを アンマウントするという方法,FDC を二つ装備する方法があります.