次のページ 前のページ 目次へ

10. IP 経由の IPX トンネル

二つの LAN 間に IP 接続しか無い、という状況はよくあるものです。この ような場合に、DOS 上の DOOM でどうやってマルチプレイヤーのデスマッチを したらいいでしょう? Andreas Godzina <ag@agsc.han.de> の ipxtunnel がその答です。

ipxtunnel は IPX パケットを TCP/IP データグラムにカプセル化して TCP/IP 接続を通過させます。これによって、IPX ブリッジのような機能を提供します。 ipxtunnel は IPX パケットを待ち受け (listen)、それを TCP/IP データグラムに 包みこんで、指定されたリモート IP アドレスに配送します。 もちろん、これがうまく動作するためには、指定先のマシンでも同じバージョンの ipxtunnel が動作していることが必要です。

10.1 ipxtunnelを入手する

ipxtunnel は sunsite.unc.edu <ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/system/Network/daemons> または そのミラーサイトから入手することができます。

10.2 ipxtunnelを構築する

私の場合、以下のコマンドできれいに構築できました:

# cd /usr/src
# tar xvfz .../ipxtunnel.tgz
# cd ipxtunnel
# make

10.3 ipxtunnelの設定

ipxtunnel の設定はとても簡単です。相手のマシンが gau.somewhere.com で、 あなたのマシンが gim.sw.edu だとしましょう。 ipxtunnel は、/etc/ipxtunnel.conf というファイルを設定ファイルとして 使います。このファイルには、TCP/IP 接続に使われるデフォールトの UDP ポートや、カプセル化されたデータをどこに送るか、どのローカル インターフェースに対してipxtunnel がデータをやりとりするかなどを 指定します。

簡単な設定ファイルの例を以下に示します:

#
# /etc/ipxtunnel.conf for gim.sw.edu
#
# The UDP port to use:                       (default 7666)
port 7777
#
# The remote machine to send IPX packets to: (no default)
remote gau.somewhere.com
#
# The local interfaces to listen for IPX on: (default eth0)
interface eth0
interface eth1

当然のことですが、相手先のマシンでは、同様の設定で、ただし あなたのマシンをリモートマシンとして設定する必要があります。

10.4 ipxtunnelのテストと使い方

d ipxtunnel は、IPX ブリッジのようにふるまいます。ですから、接続している 相互の IPX ネットワークは同じものでなければならないでしょう。Andreas は 実際に Novell ファイルサーバが稼動している環境での ipxtunnel の動作を 確認していないので、もしあなたがこのような環境で使ってみた場合には ぜひ Andreas に対して、動作したかどうかを知らせてあげてください。 ipxtunnel がうまく動作すれば、DOOM をリンク端の両方のマシンで動作させ、 お互いを見ることができるはずです。

Andreas はこのコードを高速の回線の上で使っているため、低速の回線での パフォーマンスに関してはわかりません。 ぜひ、何がうまく動作して、何はうまく動作しないか、を彼に知らせて あげてください。


次のページ 前のページ 目次へ