6. X と TERM

 TERM はネットワーク上のマシンで走っているクライアントから X のウィンドウを 開くことを可能にします。これは txconn クライアントによってなされます。txconn はネットワークにつながったリモート上で実行されます;単に txconn と起動するだけ です。txconn はバックグラウンドに回って標準出力に数字を返します;この数字は、 クライアントがローカルマシンの X サーバにアクセスするときに使うディスプレイ番 号です。例をあげればはっきりするでしょう。私は foo というリモートの TERM ホス トに trsh を通してログインしています。私は以下のことを実行します。

    foo$ txconn
    Xconn bound to screen 10
    :10
    foo$

 では、自分のマシンの X サーバで表示したい X クライアントを走らせるホスト上 で、こうします。

    setenv DISPLAY foo:10

(bash では export DISPLAY=foo:10 を使うことになります)

    xhost + foo

あるいは

    xhost +

をローカルマシンで実行しなければならない場合もあります。今、クライアントを起 動すると、クライアントはマシン foo のスクリーン 10 番につなごうとします。が、 txconn がこのスクリーンを見張っていて、X プロトコルのパケットを TERM を通じて ローカルホストの X サーバに転送します。すなわち、ウィンドウはローカルマシン上 に開くわけです。

 このことは別の向きでも可能です−ローカルマシンでクライアントを実行し、ウィ ンドウをネットワーク上のリモートマシンに開くのです;しかしこれを説明するの は、後で tredir について議論するときまで先送りにします。

X プロトコルはそんなに効率が良くありません;いくらかバンド幅を無駄に使いま す。このことはイーサネットでは普通問題になりませんが、モデム経由では命とりに もなります。X11R6 は LBX という X プロトコルのバンド幅の低いバージョンを導入 することを想定しています。しかしもし X11R5 を使うのなら、X プロトコルを圧縮す る sxpc というユーティリティを使うことができ、シリアルライン上でのレスポンス を改善します。sxpc は TERM とともにどのように動かすかについて触れているので、 おすすめできます。sxpc のパッケージには xauth の使い方についても説明があるの で、なおのことおすすめです。