5. TERM クライアント

 TERM はデフォルトでいくつかのクライアントを提供しています。これには trsh, tmon, tupload, tredir, txconn そして新しいバージョンでは trdate, trdated が含 まれます。さらに、バージョン 2.0.0 からは tudpredir が利用可能になり、バー ジョン 2.1.0 からは tdownload が利用可能です。このセクションでは trsh, tmon, tupload, tdownload, trdate そして trdated について扱います。その他については それ自身のセクションがあります。TERM リンクを確立するまでは TERM クライアント は動作しません。

 tmon はリンクの状態をモニターする簡単なユーティリティです。受信した、また送 信したキャラクタのタイムヒストグラムを表示します。単純に tmon で起動できま す。バージョン 1.11 などでは、間違った(??)情報を表示するバグがあります。

 trsh は rsh に似ています。引数なしでは、リモートシステムのインタラクティブ シェルを起動(つまりログイン)します。trsh は TERM を通してリモート側にアクセス する基本的な方法の一つです。引数を渡すと、trsh はリモートシステムのコマンドと して実行します。例えば

    trsh ls

はリモートシステムのホームディレクトリのファイルのリストを得られます。

 tupload はローカルからリモートへ、最初の引数で与えられたファイルを転送しま す。デフォルトでは、ファイルは、相手側で TERM を起動したのと同じディレクトリ に格納されます。ファイルを他のディレクトリに入れるには、その名前を tupload の 二つ目の引数として与えます。例えば、もしファイル 'term114.tar.gz' をリモート システムの '/usr/tmp' にコピーしたいとすると、このようにタイプします

    tupload term114.tar.gz /usr/tmp

 tupload を使うときは 'tupload a.*' のようにワイルドカードを使うことができま す。シェルはワイルドカードを展開して、tupload は 'tupload a.1 a.2 ......' の ように呼ばれます。

 tdownload はリモートからローカルへ、最初の引数で与えられたファイルを転送し ます。デフォルトでは、ファイルはローカル側で TERM を起動したのと同じディレク トリに格納されます。ファイルを別のディレクトリに入れるには、その名前を tdownload の二つ目の引数として与えます。例えば、ファイル 'term114.tar.gz'を ローカルシステムの '/usr/tmp' にコピーしたいとすると、このようにタイプします

    tdownload term114.tar.gz /usr/tmp

 tdownload を使うときには 'tdownload a.*' のようにワイルドカードを使うことは できません。その理由は tdownload を使うときには、ローカルのシェルにはリモート のディレクトリが見えていないからです。そのため、ローカルのシェルはワイルド カードを展開できないのです。

 trdate は時刻を設定するユーティリティです。リモートマシンの時刻を読みとって ローカルの時計をリモートに合わせます。これは root で実行されなくてはなりませ ん。

 trdated は trdate のデーモンバージョンです。'rc.local' で起動されるとデーモ ンとして実行され、5分(デフォルト)毎に時刻を合わせます。TERM コネクションのな い時でも、rc.local にセットされると起動します。TERM コネクションが張られる と、時刻を合わせはじめます。