最近の *nix 用ニュース転送ソフトウェアには、Cnews と INN の2つがあり ます。古い Bnews は、今後バージョンアップもサポートもされないことが作 成者から公式に宣言されました。
ニュース転送ソフトウェアは、記事の投稿を受け付け、配送し、ニュースリー ダで読めるようにするソフトのことです。
UUCP の Permissions ファイルに絶対パスで rnews を記述し、ニュースリー ダから inews と mail が利用できるように設定すれば、何処に置いてもかま いません。
重要:Cnews と INN の混用は厄介なだけです。どちらか一つだけを使いましょ う。 Cnews と NNTP の Reference Release は始めから相性よく作られていま すから、両方インストールしても問題ありません。
Cnews は現在標準的に使用されているニュースソフトウェアです。 1988 年に 公開され、改良が続けられています。
Cnews の主な利点は、その完成度にあります。文字通り世界中の幾千のシステ ムで動作していますので、知られている全ての *nix マシンで動作するでしょ う。
欠点は、モデム経由での UUCP 接続しか考えられていないために、リアルタイ ムにインターネットで配送し読むためには NNTP ソフトウェアを追加しなけれ ばならないことでしょう。
さらに各種ニュースリーダ用の外部スレッドパッケージが必要です。しかし現 在でも、少しは役に立つ NOV パッケージへの接続が可能ですし、もうすぐ公 開される Cnews cleanup release では正式に対応するという話です。
いずれにせよ、安定してる、文書が豊富、どんな質問にも答えてくれる経験豊 富な管理者が沢山いる、等の理由から、 USENET の管理を始める人はまず Cnews を動かすのが良いでしょう。
sunsite にある newspak-2.1.tar.z には、Linux で Cnews を動かすための設 定ファイルや、bash1.12 で doexplode をメイクする際に発生する問題 (Linux のアーカイブサイトに置かれている bash1.13 を使えば発生しません が ) を回避するためのパッチが含まれています。
ドキュメントを読めば、 Cnews Performance Release はまったく問題なくイ ンストールできます。 Cnews Performance Release のインストールはマニュ アルを読んでください。ソースファイルを入手し、展開して、マニュアルの手 順に従うだけです。
newspak に含まれている build.def は最初に build を実行し、単に /usr/include のファイルから答えを調べて、生成されたものです。
コンパイルは何回か止まるでしょう。いずれも gcc で問題になる atoi() と atol() マクロを、 doit.bin からコメントアウトしなければなりません。
また、 bash 1.12 のバグを回避するように doexplode に次のパッチが必要で す。このパッチを使わなければ下流サイトには何も送られません。
( Steve Robbins 氏 <steve@nyongwa.cam.org> から )
if [ ! -f $f ] ; then continue; fi # この行を追加
# case "$f" in # この行をコメントアウト
# "out.master/[0-9]*") break ; # この行をコメントアウト
# esac # この行をコメントアウト
Cnews に詳しい Henry Spencer 氏によると、 doexplode と bash で現在問題 になっているコードについては、新しいリリースでの修正項目になっているそ うです。
Linux 用の bash 1.13 β版でもこのパッチが必要かどうかは現時点では不明 です。私は、新しい bash とライブラリでパッチ無しに切替えましたが、落ち た事はありません。 ( 何が良かったのかは分かりませんが :-)
少なくとも、/usr/local/lib/news にある以下のファイルは編集しなければな りません。
active : active ファイル
batchparms : バッチパラメータ
explist : 記事の時効の設定
mailname : メールでリプライするためのヘッダ内の名前
mailpaths : 査読のあるニュースグループへの投稿用アドレス
organization : あなたの組織名
sys : ニュースグループの取捨を選択
whoami : Path: 行に設定するホスト名
まず、専用のユーティリティがあるファイルを直接エディタなどでいじるのは 止めた方が良いでしょう。特にニュースの配送と active ファイルの設定では、 それぞれ addfeed や addgroup などのコマンドを使って下さい。迷った時に は、ソースに含まれている文書を何度も読んで下さい。
その他は全部 cron から起動します。私の crontab の news に関する部分は 下のようになっています。
# 他システムから送られてきた圧縮済みデータの取得
20 * * * * /usenet/sw/news/bin/input/newsrun
# 送信用のファイルをまとめる
0 * * * * /usenet/sw/news/bin/batch/sendbatches myfeedsite
# 時効記事の削除
59 0 * * * /usenet/sw/news/bin/expire/doexpire
# ニュースを監視し、必要なら報告
10 5 * * * /usenet/sw/news/bin/newsdaily
00 5 * * * /usenet/sw/new/bin/newswatch
# 受信ニュースデータの処理の停止( 6:30am - 4:00pm )
30 6 * * * /usenet/sw/news/bin/input/newsrunning off
00 16 * * * /usenet/sw/news/bin/input/newsrunning on
INN は比較的新しく、完成度が高まるにつれ人気が出てきました。主な利点は、 スピードと nntp パッケージを統合して含んでいることです。主な欠点は、新 しいことと、標準的な *nix でもインストールや動作が必ずしもすんなりとは 行かない事でしょう。また、メモリ使用量とスピードの兼ね合いになりますが、 常に動いているデーモン(innd)と、オーバチャネルになる可能性を秘めたス レッド用デーモンを用いて動作するのも欠点でしょう。
新しい USENET 管理者は、B-news か Cnews のどちらかを経験するまでは、 INN は止めた方がいいでしょう。Linux 上でも高速で信頼性がありますが、ニュー ス管理の初心者用の文書はありません。(ただし、実際には、設定がわかれば 後は比較的簡単です。)
INN はパーミッションにとても厳重ですから、それらを修正しないで下さい。
INN はまた、同時に動かされている TCP/IP の品質にとても厳格です。現在の Linux では必ずしも当てはまりませんが、 Linux の有名なアーカイブサイト から Linux 用の INN を入手される事をお勧めします。
( Arjan de Vet 氏 <devet@info.win.tue.nl から )
私は、Linux で INN 1.4 を動かすためのパッチと設定キットを作りました。 ftp.win.tue.nl の /pub/linux/ports ディレクトリにある inn-1.4-linux.tar.gz です。
INN は /bin/sh の互換品に非常に依存します。私は Linux 用に公開され、普 通のアーカイブサイトに置かれている bash 1.13 β版を使っています。 bash 1.12 では、(他にもあるでしょうが)ニュースグループを正しく扱えない等 のいくつかの問題が起きます。
基本的に Arjan の手順に従えば全て設定できますので、要約だけ書きます。
INN を動かすのなら、Arjan 氏が勧めるように syslogd のファイルを確実に 定義しましょう。大変、役に立ちます。
INN の壮観な (!!!!) FAQ が、 rtfm.mit.edu に毎月出されています。一見の 価値はありますので、読んで下さい。
INN サイトの管理と配送は、cron を使うこと以外ありません。基本的に必要 な crontab は、下のようになります。
# 日常の管理、または時効になった .overview データベースと、記事の削除
1 0 * * * /usenet/sw/inn/bin/news.daily expireover delayrm < /dev/null
# 記事の送信
5 * * * * /usenet/sw/inn/lib/send-uucp
( bash1.13 を使っているのなら、上の < /dev/null はいりません )
その他のニューストランスポートエージェントとして、以下のものも Linux で動くことが知られています。
dynafeed, nntp1.5.11, slurp1.05