電脳はさみツールは興味深い装備品です。 なげなわツールに共通する機能も一部にありますし、 他にもパスツールに共通する機能があり、 そのほか独自の機能があります。 このツールは色の境目がはっきりした領域を選択するのに便利です。 電脳はさみの使い方は、 選択したい領域の輪郭を点々とクリックしてゆくことで「コントロールノード」 (アンカーとかコントロールポイントとも呼ばれます) を置いてゆきます。 ツールが自動的になるべく色の対照の強い境目をなぞって、 各コントロールノードを結ぶ連続した曲線を引いてゆきます。 うまくゆけばツールが引いた経路は選択したい輪郭と一致するはずです。
残念ながら色の境目をたどるこのツールの特質に起因して、 できあがった選択が少々雑なものになる傾向がたびたび見られます。 後で修正するのに最適なのが クイックマスク モードで、描画ツールを用いて問題のある箇所の塗りなおしができます。 概して電脳はさみよりはパスツールのほうが使い易いと多くの人が感じています。 パスツールには知能的に境界を探りあてる機能はありませんが、 引かれたパスは消去しない限りずっと残しておくことができますし、 いつでも変更できるところが魅力だからでしょう。
「電脳はさみ」ツールを起用する方法はつぎのいずれかです。
画像ウィンドウのメニューより
→ →ツールボックスのツールアイコン
キーボードショートカット I (アルファベットのアイ)
Shift キー、 Ctrl キー、 Alt キーの既定での使い方は、 選択ツール共通の説明 項2.1.1. 「キー修飾 (初期設定)」 をご覧ください。
ただし選択範囲を編集する段になって使える特有の修飾キーがあります。 これは最初のノードを置いた 後から 有効です。
既定では 自動的に形象の輪郭線に貼り付く機能 が有効になっています。 マウスポインタでクリックしてドラッグする際、 電脳はさみツールは最大のグラデーション (色変化の最も大きな位置) をその付近に探り当て、 新たに置かれたコントロールノードや既存のノードをそこに強制移動します。
クリックしてドラッグするときにこのキーを押していると、 上に述べた機能は無効になり、 マウスポインタで指定したそのままの位置にノードが置かれます。
マウスで左クリックしてゆく度に、 新たなコントロールポイントが置かれ、直前に置かれたポイントと結ばれる線が形象の輪郭をたどって引かれます。 一周したら開始点をクリックします (カーソルの姿が開始点の真上を知らせてくれます)。 コントロールノード(ポイント)をドラッグして移動したり新たなコントロールノードを追加して曲線を整えてゆきます。 満足のゆく曲線ができあがったところで、 内側をクリックすれば曲線の輪が選択に変換されます。
上で述べたとおり、 このツールはクリックしてポイントを置きます。 選択範囲の輪郭はこれらポイントで操ります。 選択範囲を形作るうえで、 始点と終点を除き個々のポイントはクリックしてドラッグすれば移動できます。 選択の輪郭は始点上に終点ポイントをクリックして置けば閉じられます。 選択を閉じたあとで、 マウスポインタの姿は選択範囲との位置関係によって変化します。 範囲内では 、 輪郭線上では
、 範囲外では
と変わります。 輪郭線上をクリックして新たなポイントを追加したり、 それぞれのポイント (始点と終点を含む) を移動して選択の輪郭を整えてゆきます。 選択の仕上げは範囲の内側をクリックします。
一度にひとつの選択範囲しか作れないことにご注意ください。 次の選択をつくるとき、 修飾キーなどを用いてモードを切り替えなければ、 新たな輪郭内でクリックした途端にそれまでの選択範囲は破棄されます。
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警告 |
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輪郭が完全に整うまでは、 輪郭内をクリックしないでください。 ひとたび選択範囲が確定されたなら、 変更しようとして「やり直す」と何も無い状態に戻され、 曲線を再び振り出しから作らなければならなくなります。 それともう一つ、 途中で他のツールを呼び出さないでください。 それまでに置いたコントロールノードは全て失われてしまいます。 (ただし選択範囲をパスに変換してしまえば、 パスツールを呼び出して作業を続行できます。) |
選択範囲の移動の方法は、 選択領域の移動 をご覧ください。
一般的にはこのツールを起用すると、 そのツールオプションがツールボックスの下に繋げられたウィンドウ上に現れます。 そのようなウィンドウが見あたらないときは、 画像ウィンドウのメニューより
→ → と辿れば今使っているツールのツールオプションウィンドウが開きます。
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注意 |
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選択ツールに共通して使えるオプションについては 選択ツール をお読みください。 ここではこのツールに特有のオプションについてのみ取り上げます。 |
このオプションが有効な場合は、 境界線の再配置の段階でコントロールノードをドラッグして移動する最中にも選択範囲の境界が再描画されます。 無効な場合は、 ノードをドラッグしている間はノードの移動前の位置から現在地へ直線が引かれるのみで、 ポインタを放して移動を終えるまでは境界線の結果が見られません。 システムが遅い場合やコントロールノードが互いに離れている場合には、 このオプションを無効にするとわずかに処理が早くなります。