第13章 ツールボックス

目次

1. ツールボックス
1.1. ツールオプション
2. 選択ツール
2.1. 共通機能
2.2. 矩形選択
2.3. 楕円選択
2.4. 自由選択 (なげなわ)
2.5. Fuzzy selection (Magic wand)
2.6. 色域選択
2.7. 電脳はさみ
2.8. Foreground Select
3. ブラシツール
3.1. 共通機能
3.2. 筆触ツール (鉛筆、 絵筆、 エアブラシ)
3.3. 塗りつぶし
3.4. ブレンド (グラデーション)
3.5. 鉛筆で描画
3.6. ブラシで描画
3.7. 消しゴム
3.8. エアブラシで描画
3.9. インクで描画
3.10. スタンプで描画 (クローン)
3.11. 修復ブラシ
3.12. 遠近スタンプで描画
3.13. ぼかし/シャープ
3.14. にじみ
3.15. 暗室 (覆い焼き/焼き込み)
4. 変換ツール
4.1. 共通機能
4.2. 移動
4.3. 整列
4.4. 切り抜き
4.5. 回転
4.6. 拡大・縮小
4.7. 剪断変形
4.8. 遠近法
4.9. Flip
5. 色ツール
5.1. カラーバランス
5.2. 色相-彩度
5.3. 着色
5.4. 明るさ-コントラスト
5.5. しきい値
5.6. レベル
5.7. トーンカーブ
5.8. ポスタリゼーション
5.9. 脱色
6. その他のツール
6.1. パス
6.2. スポイト (カラーピッカー)
6.3. ズーム (伸縮表示)
6.4. 定規
6.5. テキスト
7. 色と標識の区画
7.1. 色の区画
7.2. 標識の区画
7.3. 現在の画像の区画

1. ツールボックス

GIMPには充実したツールボックスがあり、 選択範囲をとったりパスをひいたりするような基本的な操作を素早くこなせます。 ここではGIMPのツールボックスに載っているたくさんのツールについて吟味します。

(知識欲旺盛な方向け: GIMPの用語法ではツールとはディスプレイ表示を通して画像を扱う方法のうち、 マウスポインタを画面上で動かして意図を示す必要のあるものと、 加工の効果を見ながら行えるものを指します。 しかしツールをのこぎりに、 画像を一種の材木と捉えて考えてみても、 大してまずいことにもならないでしょう。)

GIMPは様々な用途に対応する多種多様なツールを備えています。 ツールを分類すると以下の5つの範疇に振り分けられます。 画像を加工する前にその対象となる部分を指定し調整するための 選択ツール、 画像を部分的に着色し、 あるいは色を変える 描画ツール、 画像を幾何学的に変形する 変換ツール、 画像全体の色の配分を変える 色ツール、 以上4つの範疇にあてはまらない その他のツール

ほとんどのツールはツールボックスのアイコンをクリックすれば起用できます。対して一部のツール(すなわち色ツール)はメニューを通してのみ起用できます。呼びだし方は画像ウィンドウのメニューより ツール色ツールと辿った先のサブメニュー、 もしくは メニューのサブメニューを起用です。 結局のところ、全てのツールはツールメニューから起用できますし、 いずれもキーボードショートカットが使えます。

GIMPを初めてインストールした時点での初期設定では、 全てのツールがツールボックス上でアイコン化されているわけではありません: 色ツールは省かれています。 ツールボックスに載せるツールは ツールアイコンダイアログ で選定できます。 ここで調整すると助かる理由は2つあるでしょう: 第一に、 ツールを頻繁には使わないけれど、 イザというときアイコンを見付けやすいように目障りなアイコンは片付けておきたいとき、 第二に、 カラーツールを頻繁に使うので、 すぐに利用しやすいと都合がよいとき。 いずれにせよ、 ツールボックスの内容にかかわらず ツール メニューを通せばいつでもいずれのツールも呼びだせます。

カーソルの形状は画像上で様々に変化し、 現在起用しているツールが何かを示しています (「環境設定」ダイアログで 画像ウィンドウマウスポインタポインタのモードツールアイコン と設定している場合)。

1.1. ツールオプション

図 13.1. 矩形選択ツールのときのツールオプションダイアログ

矩形選択ツールのときのツールオプションダイアログ

ほとんど皆がしているような設定にしておれば、 ツールを起用したときにツールボックスの下にツールオプションダイアログが現れます。 違う設定をされていた方もおそらくそうなるようにせざるを得なくなるでしょう。 オプションを操作できない状態でツールを使いこなすのは大変難しいことです。

[ティップ] ティップ

初期設定ではツールオプションがツールボックスの下に現れるようになっています。 不意にそれを閉じてしまった場合は、 次の方法で戻せます。 画像ウィンドウのメニューより ウィンドウドッキング可能なダイアログツールオプション と辿ればツールオプションダイアログが現れますから、 ツールボックスの下に連接してください。 その方法は ダイアログとその合体 の節にあります。

ツールはそれぞれに定められるオプションがあります。 選んだオプションは変更するまでは作業中もひきつづき有効です。 具体的には、 前の作業で使ったオプションが次の作業にひきつがれるのです。 このような作業間のツールオプションの継続性はしばしば迷惑な事態をひきおこします。 あるツールが非常に奇妙な動作をするのですが、 理由がなかなか分かりません。 ようやく気付いたのは、 2週間前の作業でこのツールのオプションに並はずれた値を設定していたことだった、 などという事態です。

ツールオプションダイアログの底部には4つのボタンがあります。

オプションをファイルに保存...

このボタンは現在使用中のツールの設定を後で使えるように保存します。 小さなダイアログが現れ、 保存される一揃いのオプションにつけたい名前をここに記入します。 保存されたオプションを復帰させる際には、 現在使用しているツールに関わりのあるファイルのみ列挙されることから、 ファイルに与える名前にはツール名を明記しなくても大丈夫です。

オプションをファイルから読み込む...

このボタンは保存してあった一まとまりのオプションを現在使用中のツールに読み込ませます。 まだ一件も現在使用中のツールのオプション群を保存していないときは、 このボタンは灰色無効になっているはずです。 逆に有効になっているときは、 クリックすると保存されている全てのオプションの名前が並ぶメニューが出てきます。 メニューからひとつを選ぶと設定に反映されます。

保存したオプションの削除...

このボタンは保存してあった現在使用中のツールに関連のあるオプションの一組を削除します。 まだ一件も現在使用中のツールのオプション群を保存していないときは、 このボタンは灰色無効になっているはずです。 逆に有効になっているときは、 クリックすると保存されている全てのオプション群の名前が並ぶメニューが出てきます。 メニューからひとつを選ぶとその設定が削除されます。

このツールオプションをリセット; Shift すべてのツールオプションをリセット

このボタンは現在使用中のツールもしくは全てのツールに初期設定値を読み込ませます。