矩形選択ツールは活性レイヤーから矩形領域を選択するためにあります。 選択ツールとしては最も基本的なものですが、 非常によく使われています。 GIMPにおける選択についての情報や使い方は 選択 を、 選択ツール全種類に共通する機能についての情報は 選択ツール をご覧ください。
このツールは画像上に矩形を描くためにも用いられます。 色が一様な矩形を描くには、 矩形選択をとり、 その内側を塗りつぶし ます。 矩形の輪郭を描く最も簡単で柔軟性のある方法は、 矩形選択をとってその選択範囲の境界線を描画 します。
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注意 |
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選択ツールに共通して使える修飾キーについては 選択ツール をお読みください。 ここではこのツールに特有のオプションに効果のあるものについてのみ取り上げます。 |
選択範囲を作っている途中から作り終えるまで Ctrlキーを押し続けると、 選択範囲を作り始めた位置は始点ではなく矩形の中心とされます。 もし選択範囲を作る 前に Ctrl キーを押したのなら、 今新たに作った範囲がそれまでの選択範囲から引かれます。 このときのカーソルはこのように (右上にマイナス記号がついている) なります。
もし選択範囲を作る 前に Shift キーを押したのなら、 今新たに作った範囲がそれまでの選択範囲に加えられます。 このときのカーソルはこのように (右上にプラス記号がついている) なります。
選択範囲をとり始めた 後にShift キーを押すと、 値を固定 オプションが有効になり、 範囲をとり終えるまでキーを押し続けたならば出来あがる矩形が正方形になります。固定される条件は初期設定では 縦横比なので、このあと同様の方法で選択範囲を作るときは直前の縦横比が踏襲されます。
この両方のキーを選択範囲を作り始めた後で押したなら、 開始点を中心とした正方形の選択範囲ができます。 選択範囲を作り始める前にこの両方のキーを押していた場合は、 ポインタカーソルがこのように (右上に積集合記号がついている) なり、 それまでの選択範囲とこのときの範囲の共通部分だけが残されます。
このツールが使用されているときのマウスカーソルは画像上ではこのような 姿をしています。 画像上でクリックしてドラッグすると長方形 (もしくは正方形) が現れます。 マウスボタンを放すと点滅破線 (「蟻の行進」) が選択範囲の輪郭を描きます。 選択の領域を始めから正確にとる必要はありません。 後で簡単に整形[や移動]ができます。
マウスポインタを画面上で移動させると場所によりその姿が変化し、選択の矩形の形状を変える方法が示されます。
- イ. 選択範囲の領域外ではマウスカーソルは選択を作る以前の形をしています。 そこから選択をとったときは、 前段で紹介した他の選択範囲との和や差や積をとるキー修飾を使わなければ、 現在の選択範囲は破棄され新たな選択範囲がつくられます。
- ロ.選択範囲の周辺部では、 マウスポインタの移動に合わせて敏感に反応する部位がはっきりと現れ、 ポインタの姿も様々に変化します。これらの部位は 「ハンドル」といい、 選択範囲の矩形の高さや幅を変更するのに使います。 選択範囲の矩形の角地では、 ポインタは角地と分かるような姿に変わります。 例えば左下角ではこのような 姿です。 そこでクリックしてドラッグすれば選択範囲の形状を拡げたり縮めたりできます。 上下左右の辺の中間部では、 ポインタは辺上にふさわしい姿に変わります。 例えば、 マウスポインタが左辺の中程にあるとき、 ポインタはこのような
姿です。 そこでクリックしてドラッグすれば辺が動き、 選択範囲の辺の長さを伸縮できます。
- ハ. 選択範囲の中央部ではマウスポインタの姿は部品移動でよく見る姿 (移動十字) になります。 そこでクリックしてドラッグすれば選択範囲全体を移動できます。
なお、 選択範囲をハイライト表示 オプションのチェックを外していなければ、 選択されていないところが選択範囲よりも暗くされ、 選択範囲が浮かびあがりますから作業がしやすくなるでしょう。
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ティップ |
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矢印 キーを用いた選択範囲の移動もしくは変形は1ピクセルずつ変化します。 このキーと Shift キーとの組み合わせでは25ピクセルずつの変化です。 |
選択範囲を作成し加工したあとは、 編集モードから抜け出ることが (そして何らかの変化を起こすことが) 必要になるはずです。 これは選択範囲の内側でクリックするか Enter キーを押せばできます。 でもそのあとに選択しないツールを使うならば、 例えば塗りつぶしたり選択範囲を描画したりは直後にできます。
一般的にはこのツールを起用すると、 そのツールオプションがツールボックスの下に繋げられたウィンドウ上に現れます。 そのようなウィンドウが見あたらないときは、 画像ウィンドウのメニューより
→ → と辿れば今使っているツールのツールオプションウィンドウが開きます。
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注意 |
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選択ツールに共通して使えるオプションについては 選択ツール をお読みください。 ここではこのツールに特有のオプションについてのみ取り上げます。 |
選択ツール共通のオプションです。
このオプションを有効にするとスライダが現れます。 選択の矩形の角を丸める円の半径を定めるのに使えます。
このオプションが有効なときはマウスで曳き始めた選択の始点が選択範囲の中心とされます。
このメニューにはいろいろな条件で矩形の形状を制限するためのオプションがあります。
このオプションは選択の矩形の高さと幅の比を一定に保ちつつ変形させるためのもので、 専用のボックスに比を記入すれば形状が予め想定できます。既定の比は 1:1 (つまり正方形) ですが変更できます。縦長と横長を選ぶ小さなアイコンを押せば比を逆転できます。
これを選ぶと選択の矩形の幅が固定されます。
これを選ぶと選択の矩形の高さが固定されます。
これを選ぶと選択の矩形の幅と高さが固定されます。
これら4つの記入欄の数値は現在の選択範囲の位置と大きさに基づいています。 ここに数値を記入することにより選択範囲の位置と大きさを指定できます。
このオプションを有効にすると、 選択範囲の周囲にマスクを掛けて選択範囲を際立たせることで、 視覚的に選択しやすくなります。
このコンボメニューから分割の種類を選ぶと、 選択範囲内を分割するガイドが現れますので、 選択範囲の 写真の構図法に凖じた構図が作りやすくなります。
ガイドは表示されません。
選択範囲の縦横の中心にガイドが引かれます。
選択範囲を3×3等分するようにガイドが引かれます。
このオプションではガイドが黄金分割を示します。
選択範囲の自動縮小 ボタンは現在活性化しているレイヤー上の図形で選択範囲内の境界線に最も近い長方形や辺にあわせて選択範囲の矩形を収縮させます。 縮小に最適な図形を「天才的」 に算出しますから、 時には驚くほど高度な結果をもたらしますが、 一方でとびきりおかしな結果もひきおこします。少なくとも一様な色の図形を囲むのならば、 自動縮小は必ず正確にできます。
レイヤー結合色 も有効な場合に、 「選択範囲の自動縮小」 は活性レイヤーだけではなく画像の可視部分から画素 (ピクセル) の情報を得て作動します。 レイヤー結合色に関する情報は、 用語集のレイヤー結合色の項で詳しく書かれています。