10.1.1 リストアップされるファイル
これらのオプションは,lsがリストアップするファイルの情報を決
定します.デフォルトで,コマンドラインのあらゆるファイルとディレクトリ
の内容が表示されます.
- ‘-a’
- ‘--all’
-
‘.’で始まるファイルを含め,ディレクトリの全てのファイルをリストアッ
プします.
- ‘-A’
- ‘--almost-all’
-
.と..以外の,ディレクトリの全てのファイルをリストアップ
します.
- ‘-B’
- ‘--ignore-backups’
-
コマンドラインで与えられない限り,‘~’で終るファイルをリストアップ
しません.
- ‘-d’
- ‘--directory’
-
ディレクトリの名前のみリストアップし,それはファイルの他の形式と同様で,
その内容をリストアップしません.
--dereference-command-line (-H),
--dereference (-L),または
--dereference-command-line-symlink-to-dirオプションが指定され
ていない限り,コマンドラインでリストアップされているシンボリックリンク
をたどりません.
- ‘-H’
- ‘--dereference-command-line’
-
コマンドライン引数がシンボリックリンクを指定している場合,リンク自身で
はなくリンクが参照しているファイルの情報を表示します.
- ‘--dereference-command-line-symlink-to-dir’
-
一つの例外がありますが,シンボリックリンクを間接参照しません.コマンド
ライン引数で,ディレクトリを参照するシンボリックリンクが指定されている
場合,リンク自身ではなくディレクトリの情報を表示します.他に参照に関連
するオプション(--classify (-F),--directory
(-d),(-l),--dereference (-L),ま
たは--dereference-command-line (-H))が指定されていな
いとき,これはデフォルトの動作です.
- ‘-I PATTERN’
- ‘--ignore=PATTERN’
-
コマンドラインで与えられていない限り,シェルパターン(正規表現ではあり
ません)patternにマッチする名前のファイルをリストアップしません.
シェルと同様に,ファイル名の最初の‘.’は,patternの最初のワ
イルドカードにマッチしません.このオプションを複数回与えると便利なとき
もあります.例えば,以下のようにします.
$ ls --ignore='.??*' --ignore='.[^.]' --ignore='#*'
最初のオプションは,‘.’で始まる長さが3文字以上の名前を無視し,二
番目は‘..’以外の‘.’で始まる全ての2文字の名前を無視し,三番目
は‘#’で始まる名前を無視します.
- ‘-L’
- ‘--dereference’
-
長いリストで,シンボリックリンク自身ではなくシンボリックリンクが参照す
るファイルの情報(例えば,時間や許可)を表示します.しかし,このオプショ
ンを使用していても,lsはリンク先のファイル名ではなく,リンク
自身の名前を出力します.
- ‘-R’
- ‘--recursive’
-
全てのディレクトリの内容を,再帰的にリストアップします.