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28.3.3 ウィンドウフレームのパラメータ

フレームのパラメータの種類は、使用する表示機構に依存します。 ウィンドウフレームにおいて特別な意味を持つパラメータの一覧をつぎに示します。 これらのうち、nametitleheightwidthbuffer-listbuffer-predicateは 端末フレームでも意味を持ちます。

display
このフレームを開くディスプレイ。 環境変数DISPLAYと同様に、 "host:dpy.screen"の形の文字列であること。
title
フレームのタイトルtitlenil以外であると、 フレーム向けのウィンドウシステムの枠にタイトルが現れる。 また、mode-line-frame-identificationに‘%F’ (see %-Constructs)を使っていれば、 当該フレームのモード行にもタイトルが現れる。 Emacsがウィンドウシステムを使っていない場合には、 これは普通はモード行に表示され一度に1つのフレームだけを表示できる。 see Frame Titles
name
フレームの名前。 パラメータtitleを指定しないかnilであると、 フレーム名はフレームタイトルのデフォルトになる。 nameを指定しないと、Emacsが自動的にフレーム名を設定する (see Frame Titles)。

フレームを作るときにフレーム名を明示的に指定すると、 その名前は(Emacsの実行形式ファイルの名前のかわりに) フレーム向けのXリソースを探すためにも使われる。

left
スクリーンの左端を基準にしたピクセル単位の左端位置。 この値は正の数posであるか、 負のposの値を指定できる(+ pos)の形のリストである。

負の数−pos(- pos)の形のリストは、 実際には、スクリーンの右端を基準にしたウィンドウの右端位置を指定する。 posの正の値は左へ向けて数える。 注意: パラメータが負の整数−posであると、 posは正である。

プログラムが指定した位置を無視するウィンドウマネージャもある。 指定した位置が無視されないように保証したい場合には、 パラメータuser-positionにもnil以外の値を指定する。

top
スクリーンの上端を基準にしたピクセル単位の上端位置。 この値は正の数posであるか、 負のposの値を指定できる(+ pos)の形のリストである。

負の数−pos(- pos)の形のリストは、 実際には、スクリーンの下端を基準にしたウィンドウの下端位置を指定する。 posの正の値は上へ向けて数える。 注意: パラメータが負の整数−posであると、 posは正である。

プログラムが指定した位置を無視するウィンドウマネージャもある。 指定した位置が無視されないように保証したい場合には、 パラメータuser-positionにもnil以外の値を指定する。

icon-left
スクリーンの左端を基準にした フレームのアイコンのピクセル単位の左端位置。 フレームをアイコンにしたときに効果を発揮する。
icon-top
スクリーンの上端を基準にした フレームのアイコンのピクセル単位の上端位置。 フレームをアイコンにしたときに効果を発揮する。
user-position
パラメータlefttopでスクリーン上の位置を指定して フレームを作るときに、このパラメータは指定位置が、 (利用者がなんらかの方法で与えた)ユーザー指定のものなのか、 (プログラムが選んだ)プログラム指定のものなのかを指定する。 nil以外の値であるとユーザー指定の位置であることを意味する。

ウィンドウマネージャはユーザー指定の位置を一般に尊重し、 プログラム指定の位置も尊重するものもある。 しかしその多くはプログラム指定の位置を無視し、 デフォルトに基づいてウィンドウを配置したり、 マウスでユーザーに配置させる。 twmを含むウィンドウマネージャには、 プログラム指定の位置に従うかそれらを無視するかを ユーザーが指定できるものもある。

make-frameを呼び出すときには、 パラメータlefttopの値がユーザーの希望を表す場合には このパラメータの値にはnil以外を指定すること。 さもなければnilを指定する。

height
フレームの内側の文字単位の高さ。 (ピクセル単位の高さを得るにはframe-pixel-heightを呼び出す。 Size and Positionを参照。)
width
フレームの内側の文字単位の幅。 (ピクセル単位の幅を得るにはframe-pixel-widthを呼び出す。 Size and Positionを参照。)
window-id
フレームとして使うウィンドウシステムのウィンドウ番号。
minibuffer
このフレームに独自のミニバッファがあるかどうかを表す。 値tはあることを表し、nilはないことを表す。 onlyは、このフレームがミニバッファだけであることを表す。 (別のフレームの)値がミニバッファだけであると、 新たなフレームはそのミニバッファを使う。
buffer-predicate
このフレーム向けのバッファ述語関数。 これがnilでなければ、 関数other-bufferが(選択されているフレームから)この述語を使用して、 どのバッファにするかを決定する。 other-bufferは各バッファごとにバッファを引数としてこの述語を呼び出す。 この述語がnil以外を返すと当該バッファを選ぶ。
buffer-list
このフレームで選択されたバッファを もっとも最近に選択されたものから順に並べたリスト。
font
フレーム内でテキストの表示に使うフォントの名前。 これは、読者のシステムにおいて正しいフォントの名前であるか Emacsのフォントセット(see Fontsets)の名前を表す文字列である。
auto-raise
フレームを選択したときにフレームを手前に移動するかどうかを表す (nil以外であるとそのようにする)。
auto-lower
フレームの選択を止めたときにフレームを奥へ移動するかどうかを表す (nil以外であるとそのようにする)。
vertical-scroll-bars
フレームに垂直スクロール用のスクロールバーを付けるかどうか、 どちら側に付けるかを表す。 指定できる値は、leftright、あるいは スクロールバーなしを意味するnil
horizontal-scroll-bars
水平スクロール用のスクロールバーを付けるかどうかを表す (nil以外だと付ける)。 (水平スクロールバーはいまのところ実装してない。)
scroll-bar-width
垂直スクロールバーのピクセル単位の幅。
icon-type
このフレームをアイコンにしたときに使うアイコンの種類。 値が文字列であると、使用するビットマップを収めたファイルを指定する。 それ以外のnil以外の値はデフォルトのビットマップアイコン (gnuの絵)を指定する。 nilはテキストのアイコンを指定する。
icon-name
このフレーム向けのアイコンを表示するときに使用するアイコンの名前。 これがnilであると、フレームのタイトルを使う。
foreground-color
文字の描画に使う表示色。 これは文字列である。 ウィンドウシステムが妥当な表示色の名称を定義する。

フレームパラメータforeground-colorに設定したときには、 それに対応してフェイスを更新するために frame-update-face-colorsを呼び出すこと。

background-color
文字の背景に使う表示色。

フレームパラメータbackground-colorに設定したときには、 それに対応してフェイスを更新するために frame-update-face-colorsを呼び出すこと。 see Face Functions

background-mode
背景色が明るいか暗いかにしたがって、 このパラメータはdarklightである。
mouse-color
マウスポインタの表示色。
cursor-color
ポイントを表すカーソルの表示色。
border-color
フレームの枠の表示色。
display-type
このパラメータはこのフレームで使用可能な表示色の範囲を表す。 値は、colorgrayscalemonoのいずれかである。
cursor-type
カーソルの表示方法。 正しい値は、barbox(bar . width)のいずれかである。 シンボルboxは、ポイント直後の文字に重なる通常の黒い箱型の カーソルを指定し、これがデフォルトである。 シンボルbarは、カーソルとして文字のあいだに縦棒を置く指定である。 (bar . width)は、ピクセル幅widthの縦棒を指定する。
border-width
ウィンドウ枠のピクセル単位の幅。
internal-border-width
枠とテキストのあいだのピクセル単位の間隔。
unsplittable
nil以外であると、このフレームのウィンドウをけっして自動的に分割しない。
visibility
フレームの可視性。 不可視を表すnil、可視を表すt、 アイコンになっていることを表すiconの3の可能性がある。 see Visibility of Frames
menu-bar-lines
フレームの上端に割り当てるメニューバー向けの行の個数。 デフォルトは1である。 see Menu Bar。 (Xツールキットを使うEmacsでは、メニューバーは1行だけである。 この場合、0より大きな数を指定したかどうかに意味がある。)