本節では、mode-line-format
の標準値でモード行のテキストに
含められる変数について述べます。
これらの変数に関しては、本来特別なことはありません。
別の変数を使うようにmode-line-format
を変更すれば、
別の変数でもモード行において同じ効果を発揮します。
この変数は、言語環境、バッファのコーディングシステム、 現在の入力方式に関する情報を表示するモード行構成の値を保持する。 see Non-ASCII Characters。
この変数は、カレントバッファが変更されたかどうかを表示する モード行構成の値を保持する。
mode-line-modified
のデフォルト値は("%1*%1+")
である。 これは、バッファが変更されていると‘**’を、 未変更ならば‘--’を、読み出し専用ならば‘%%’を、 読み出し専用でしかも変更されていれば‘%*’を モード行に表示することを意味する。この変数を変更してもモード行の更新を強制しない。
この変数はカレントフレームを識別する。 複数のフレームを表示できるウィンドウシステムを使用している場合には デフォルト値は
" "
であり、 ある時点で1つのフレームしか表示できない普通の端末を使用している場合には"-%F "
である。
この変数はウィンドウに表示しているバッファを識別する。 デフォルト値は
("%12b")
であり、 空白で埋めて最低12コラムでバッファ名を表示する。
この変数は、デフォルトでモード行のバッファ名の直後に現れる モード行指定を保持する。 コマンド
display-time
は、global-mode-string
が時刻と負荷情報を含んだ 変数display-time-string
を参照するように設定する。‘%M’記法は
global-mode-string
の値を使うが、 この変数はmode-line-format
でモード行に含まれるため ‘%M’は廃れた記法である。
このバッファローカルな変数は、 カレントバッファのメジャーモードの『愛称』を保持する。 各メジャーモードは、モード行にモード名が現れるようにこの変数に設定すること。
この変数は、モード行にマイナモードがオンであることを表示する方法を 指定する要素からなる連想リストを保持する。
minor-mode-alist
の各要素は、2要素リストであること。(minor-mode-variable mode-line-string)より一般的には、mode-line-stringはどのようなモード行指定でもよい。 それは、minor-mode-variableの値が
nil
以外のときに モード行に現れ、さもなければ現れない。 これらの文字列は、繋がらないように空白で始まること。 慣習的には、特定モードに対するminor-mode-variableは、 当該マイナモードがオンであるとnil
以外に設定される。
minor-mode-alist
のデフォルト値はつぎのとおり。minor-mode-alist ⇒ ((vc-mode vc-mode) (abbrev-mode " Abbrev") (overwrite-mode overwrite-mode) (auto-fill-function " Fill") (defining-kbd-macro " Def") (isearch-mode isearch-mode))
minor-mode-alist
自体はバッファローカルではない。 マイナモードが各バッファごとにオンにできる場合には、 連想リストに指定した対応する各変数はバッファローカルであること。
このバッファローカルな変数は、 サブプロセスとの通信用に使われているモードの処理状態に関する モード行の情報を保持する。 メジャーモード名の直後に空白で区切らずに表示される。 たとえば、バッファ‘*shell*’におけるこの変数の値は
(":%s")
であり、 シェルがその状態をメジャーモードとともに‘(Shell: run)’のように 表示できる。 通常、この変数はnil
である。
この変数は、
mode-line-format
を変更していないバッファの デフォルトのmode-line-format
の値を保持する。 これは(default-value 'mode-line-format)
と同じである。
default-mode-line-format
のデフォルト値はつぎのリストである。("-" mode-line-mule-info mode-line-modified mode-line-frame-identification mode-line-buffer-identification " " global-mode-string " %[(" mode-name mode-line-process minor-mode-alist "%n" ")%]--" (which-func-mode ("" which-func-format "--")) (line-number-mode "L%l--") (column-number-mode "C%c--") (-3 . "%p") "-%-")