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19.11.6 整形済みテキストの字下げ

整形済みテキストの編集では、段落全体あるいは段落の一部に 異なる左端と右端の字下げを指定できます。 指定した左右端は、自動的に詰め込みコマンド(see Filling)と 行分割コマンドに反映されます

Indentationサブメニューは、 これらの属性を指定するための便利なインターフェイスです。 このサブメニューにはつぎの4つの項目があります。

Indent More
リージョンを4桁分字下げする(increase-left-margin)。 エンリッチ(enriched)モードでは、 このコマンドはC-x <TAB>でも実行できる。 数引数を指定すると、左端に加える桁数として扱う(負の値であれば桁を減らす)。
Indent Less
リージョンから4桁分字下げを取り除く。
Indent Right More
右端を4桁分字下げしてテキストの幅を狭める。
Indent Right Less
右端から4桁分字下げを取り除く。

なお、これらのコマンドを繰り返せば、字下げを増やしたり減らしたりできます。

これらのコマンドの一般的な使い方は、段落全体の字下げを変更することです。 しかし、それだけではありません。 任意の箇所で左右端を変更できます。 新たに設定された値は、行末(右端)や つぎの行の先頭(左端)に影響します。

それにより、ぶら下がり字下げで段落を整形することができます。 ぶら下がり字下げとは、1行目の字下げ幅が2行目以降の字下げ幅より少ないものです。 ぶら下がり字下げするには、段落の最初の単語の直後から始まり段落の末尾まで 続くリージョンの字下げ幅を増やします。

段落の1行目の字下げはもっと簡単です。 段落の本体があるべき位置に段落全体に対する左右端を設定してから、 最初の行に追加の空白やタブを挿入すればよいのです。

編集の結果、段落の詰め込みが汚くなってしまうことがあります。 たとえば、段落の一部が左端や右端からはみ出してしまうことです。 そうなったときには、M-qfill-paragraph)を使って、 段落を詰め込み直します。

変数standard-indentは、これらのコマンドで増減する字下げ幅を指定します。 デフォルト値は4です。 エンリッチ(Enriched)モード全体に対する右端のデフォルトは、 通常どおり変数fill-columnで制御します。

詰め込み接頭辞があれば、指定した段落の字下げに追加されます。 C-x .は、 詰め込み接頭辞として新たに指定された値には、字下げの白文字を含めません。 しかも、詰め込みコマンドは各行の字下げのうしろにある詰め込み接頭辞を探します。 See Fill Prefix