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37.4 ユーザーの識別

— 変数: init-file-user

この変数は、Emacsが使用すべきユーザー初期化ファイルを指定する。 あるいは、そのようなものがなければnilである。 この値は、`-q'や`-u user'の コマンド行オプションを反映する。

カスタマイズファイルや他の種類のユーザープロフィールを ロードするLispパッケージは、それらを探す場所を判断するために この変数に従うこと。 この変数のユーザー名のカスタマイズをロードするべきである。 init-file-usernilであると オプション`-q'が使われたことを意味し、 Lispパッケージはいかなるカスタマイズファイルや ユーザープロフィールもロードしないこと。

— 変数: user-mail-address

これは、Emacsを使用しているユーザーの通常の電子メイルアドレスを保持する。 Emacsは通常、読者の初期化ファイルを読み取ったあと、 この変数が未設定であるとデフォルト値を設定する。 したがって、デフォルト値を使いたくない場合には、 読者のファイル~/.emacsで別の値に設定できる。

— 機能: user-login-name &optional uid

uidを指定しないと、 この関数はログインしたユーザー名を返す。 環境変数LOGNAMEが設定されていればその値を使う。 さもなければ、環境変数USERが設定されていればその値を使う。 さもなければ、実uidではなく実効uidに基づいた値である。

uidを指定すると、値は(整数である)uidに 対応するユーザー名である。

          (user-login-name)
               => "lewis"
     
— 機能: user-real-login-name

この関数は、Emacsの実uidに対応するユーザー名を返す。 これは、実効uidや環境変数LOGNAMEUSERを無視する。

— 機能: user-full-name &optional uid

この関数は、ログインしたユーザーの氏名を返す。 あるいは、環境変数NAMEが設定してあればその値を返す。

          (user-full-name)
               => "Bil Lewis"
     

uidnil以外であると、 それは整数のユーザー番号か文字列のログイン名であること。 すると、user-full-nameは、 そのユーザー番号かログイン名に対応するユーザーの氏名を返す。

シンボルuser-login-nameuser-real-login-nameuser-full-nameは、関数でもある変数です。 関数としては、その変数が保持する値と同じ値を返します。 これらの変数により、関数として返す値を指定しておくことで Emacsを『ごまかせ』ます。 これらの変数は、フレームタイトルの作成にも有用です (see Frame Titles)。

— 機能: user-real-uid

この関数は、ユーザーの実uidを返す。

          (user-real-uid)
               => 19
     
— 機能: user-uid

この関数は、ユーザーの実効uidを返す。