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13 複数のバッファの使い方

Emacs内で編集しているテキストはバッファ(buffer)と 呼ばれるオブジェクトの中に存在します。 ファイルを訪問するたびに、 ファイルのテキストを保持するバッファを作ります。 diredを起動するたびに、ディレクトリ一覧を保持するバッファを作ります。 C-x mでメッセージを送信するときには、 メッセージのテキストを保持するためにバッファ`*mail*'が使われます。 コマンドの説明文を求めると、`*Help*'と呼ばれるバッファに説明文が現れます。

どんなときでも、1つのバッファだけが選択されています。 このバッファをカレントバッファとも呼びます。 バッファが1つしかないかのように、 コマンドが『バッファ』に作用するといういい方をよくします。 しかし、実際には、コマンドが選択されたバッファに作用するということです (多くのコマンドはそうする)。

複数のウィンドウがあるとき、 各ウィンドウはそこに表示しているバッファを選んでいますが、 いつでもそれらのウィンドウのうち1つだけが選択されていて、 そのウィンドウに表示されているバッファが選択されているバッファです。 各ウィンドウのモード行は、 そのウィンドウに表示しているバッファの名前を表示します(see Windows)。

各バッファにはどんな長さでもよい名前があり、 バッファ名を指定してバッファを選択できます。 多くのバッファはファイルを訪問することで作成され、 それらの名前はファイル名から導き出します。 好きな名前で空のバッファを作ることもできます。 Emacsを新たに始めると、Emacs内でLisp式の評価に使える `*scratch*'という名前のバッファができます。 バッファ名では大文字小文字を区別します。

各バッファは独立に、どのファイルを訪問しているか、 変更されているか、どのメジャーモードとマイナモードを使っているか を記録しています。(see Major Modes)。 どのEmacs変数も各バッファにローカルにすることができます。 つまり、あるバッファでの変数の値を 他のバッファでのその変数の値とは違う値にできます。 See Locals