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9.7 表示を制御する変数

本節は、カスタマイズに関する情報のみです。 初心者の方は読み飛ばしてください。

変数mode-line-inverse-videoは、 (端末が反転表示を扱えると仮定して) モード行を反転表示するかどうかを制御します。 nilは反転表示しないことを意味します。 See Mode Linemodelineフェイスに前景色を指定していて、しかも、 mode-line-inverse-videonil以外であれば、 modelineフェイスのデフォルトの背景色は通常の前景色です。 See Faces

変数inverse-videonil以外である場合、 Emacsは画面上のすべての行を通常の状態から反転表示します。

変数visible-bellnil以外の場合、 Emacsは、通常は端末のベルを鳴らす場面では、画面全体を点滅します。 端末に画面を点滅する機能がなければ、この変数は何の効果もありません。

Emacsを休止したあとで再開した場合、通常Emacsは画面をクリアし、 画面全体を再表示します。 ページメモリを複数個備えた端末では、termcapの定義を変更して、 (それぞれ、Emacsを起動するときと抜けるときに端末に出力される) 文字列`ti'と`te'でページメモリを切り替えて、 1ページをEmacs用に使い、もう1ページを他の出力用に使うようにできます。 そして、変数no-redraw-on-reenternil以外を設定します。 こうすると、Emacsは、再開時には 最後に出力した内容が画面ページに入っているものと仮定します。

変数echo-keystrokesは、複数個の文字キーのエコーを制御します。 設定する値は、エコーを開始するまでの待機時間の秒数です。 ゼロを指定するとエコーしません。 See Echo Area

変数ctl-arrownilを設定すると、 改行とタブを除いて、バッファ内のコントロール文字を 8進のエスケープシーケンスで表示します。 変数ctl-arrowの値を変更すると、 この変数はカレントバッファにローカルになります。 それまでは、デフォルトの値が使われます。 デフォルトの初期値はtです。 See 表示テーブル

通常、バッファ内のタブ文字は、つぎのタブストップ位置までの 空白として表示され、タブストップは8個分の空白と同じ間隔です。 タブ1個あたりの空白の文字数は、変数tab-widthで制御します。 この変数もctl-arrowと同様に、変更するとバッファにローカルになります。 バッファ内のタブ文字をどのように表示するかと、 コマンドとしての<TAB>の定義とは無関係であることに注意してください。 変数tab-widthの値は1以上1000以下の整数である必要があります。

変数truncate-linesnil以外を設定すると、 テキストの各行は表示上は画面の1行を占有します。 テキスト行が長すぎる場合は、画面に収まる範囲だけを表示します。 一方、truncate-linesnilを設定すると、 長いテキスト行は、画面上では2行以上にわたってテキスト行の表示に必要なだけの 行数で表示されます。 See Continuation Lines。 変数truncate-linesの値を変更すると、 カレントバッファにローカルになります。 それまでは、デフォルトが使われます。 デフォルトの初期値はnilです。

変数truncate-partial-width-windowsnil以外を設定すると、 画面やフレームの幅に満たないウィンドウでは、 テキストの表示方法はtruncate-linesの値とは無関係に、 継続行ではなく切り捨てて表示します。 左右に並べたウィンドウに関しては、See Split WindowEmacsの画面表示も 参照してください。

変数baud-rateは、Emacsにとっての端末の出力速度を保持します。 この変数の値を設定したとしても、 実際のデータ転送速度を変更できるわけではなく、 この値はパディングの計算などに用いられます。 さらに、ウィンドウシステムを使用している場合であっても、 画面の一部をスクロールするのか、再表示するのかの決定にも影響します。 (ウィンドウシステムには正しい『出力速度』がないにしても、 スクロール/再表示を調整できるようにこのように設計してある。)

どんな文字コードの表示方法も、表示テーブルを用いてカスタマイズできます。 See 表示テーブル