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ar -M [ <script ]
単一のコマンドラインオプション-Mをarで用いた場合,基 礎的なコマンド言語でその処理を制御することが可能です.arのこ の形式は,標準入力が端末から直接来ている場合,対話的に処理します.対話 的に使用している間,arは入力を促し(プロンプトは`AR >'), エラー後も実行を続けます.標準入力をスクリプトファイルにリダイレクトし ている場合,プロンプトは表示されず,arはエラーが発生すると(ゼ ロでない終了コードで)実行を終了します.
arコマンド言語は,コマンドラインオプションと等価に設計されて いません.実際,それはアーカイブ上の制御が若干少なくなっています. コマンド言語の目的は,MRI “librarian”プログラムに対して書かれたスクリ プトを既に所有している開発者が,gnu arへの変換をより簡単 にすることです.
arコマンド言語の構文は簡単です.
LIST
はlist
と同じです.以下の記述では,明確さのためにコマンドは大文字で表示します.
以下のものは,arで使用することが可能な,または,ar を対話的に使用しているときのコマンドです.そのうちの三つは特別な意味を 持ちます.
OPEN
やCREATE
は現在のアーカイブ(current archive)を指
定し,それはそれ以外のほとんどのコマンドが要求する一時的なファイルです.
SAVE
は,スクリプトでこれまでに指定された変更をコミットします.
SAVE
の前のコマンドは,現在のアーカイブの一時的なコピーに対しての
み効果があります.
ADDLIB
archiveADDLIB
archive (
module,
module, ...
module)
OPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.
ADDMOD
member,
member, ...
memberOPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.
CLEAR
SAVE
されてからのあらゆる処
理の効果を無効にします.現在のアーカイブが指定されていない場合でも実行
可能です(効果はありません).
CREATE
archiveSAVE
を使用するまで,archiveとして実際に保存さ
れません.既存のアーカイブに優先可能です.同様に,指名されている既存の
archiveファイルの内容は,SAVE
まで破壊されません.
DELETE
module,
module, ...
moduleOPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.
DIRECTORY
archive (
module, ...
module)
DIRECTORY
archive (
module, ...
module)
outputfileVERBOSE
で,出力形式を指定します.冗長出力が
オフのとき,出力は`ar -t archive module...'のよう
になります.冗長出力がオンのとき,リストは`ar -tv archive
module...'のようになります.
出力は通常,標準出力に流れていきます.しかし,outputfileを最後の
引数として指定した場合,arはそのファイルに出力を変更します.
END
0
で終了します.
このコマンドは出力ファイルを保存しません.最後のSAVE
コマンド以降
に現在のアーカイブを変更した場合.これらの変更は失われます.
EXTRACT
module,
module, ...
moduleOPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.
LIST
VERBOSE
の状態に関わらず,
“verbose”形式で表示します.効果は`ar tv archive'に似ていま
す.(この単独コマンドはgnu ar拡張で,MRI互換に提供されて
いるものではありません).
OPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.
OPEN
archiveSAVE
が使用されるまで,archiveに対し実際に効果はあ
りません.
REPLACE
module,
module, ...
moduleREPLACE
の引数で指名された)既存の
moduleを,現在のワーキングディレクトリのファイルで置換します.エ
ラー無くこのコマンドを実行するために,ファイルと現在のアーカイブのモ
ジュールの両方が存在する必要があります.
OPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.
VERBOSE
DIRECTORY
からの出力を管理している内部フラグを切り替えます.フラ
グがオンのとき,DIRECTORY
出力は,`ar -tv '...からの出力
に一致します.
SAVE
CREATE
や
OPEN
コマンドで指定された名前のファイルに,実際に保存します.
OPEN
やCREATE
を前もって使用することが要求されます.