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25.6 複数のrmailファイルの扱い方

rmailはデフォルトでは個人の主rmailファイルを操作します。 このファイルは、~/RMAILという名前で、 システムのinboxファイルから到着メイルを受け取ります。 しかし、別のrmailファイルを作ってそれをrmailで編集することもできます。 これらのファイルはそれぞれ独自のinboxからメイルを受け取ったり、 あるいは、rmailコマンドでそれらのあいだでメッセージを移せます (see Rmail Output)。

i file <RET>
fileをEmacsに読み込み、それに対してrmailを実行する (rmail-input)。
M-x set-rmail-inbox-list <RET> files <RET>
現在のrmailファイルに対してメイルを取り込むinboxファイルを指定する。
g
現在のrmailファイルのinboxから新着メイルを取得する (rmail-get-new-mail)。
C-u g file <RET>
inboxファイルfileから新着メイルを取得する。

主rmailファイル以外のファイルに対してrmailを実行するには、 rmailでirmail-input)コマンドを使います。 このコマンドは、指定されたファイルをrmailモードで訪問します。 rmailの外からでもM-x rmail-inputを使えます。

iで読み込むファイルは、 通常、正しいrmailファイルであるべきです。 そうでなければ、rmailは既知のさまざまな形式を用いて メッセージに分解しようと試みます。 それに成功すれば、ファイル全体をrmailファイルに変換します。 存在しないファイル名を指定すると、 iコマンドは新たなrmailファイル用の新しいバッファを初期化します。

メニューからrmailファイルを選択することもできます。 まず、メニューバーから項目Classifyを選びます。 続いて、Classifyメニューから項目Input Rmail Fileを選びます。 そして、望みのrmailファイルを選択します。 変数rmail-secondary-file-directoryと 変数rmail-secondary-file-regexpで、 メニューに含めるべきファイルを指定します。 最初の変数では探すべきディレクトリを指定し、 2番目の変数ではディレクトリ中のどのファイルか (正規表現に一致するもの)を指定します。 これらの変数は出力用のファイルを選択するときにも使われます。

各rmailファイルには、inboxファイル名の一覧を持たせることができます。 この一覧は、M-x set-rmail-inbox-list <RET> files <RET>で指定します。 引数には、コンマで区切っていくつもファイル名を書けます。 引数が空でもかまいませんが、その場合、 そのファイルにはinboxがないという指定になります。 いったんinboxの一覧を指定すれば、新たに指定し直さない限り、 rmailファイルはそれを覚えています。

特別な例外として、主rmailファイルにinboxファイルを指定しないと、 システム標準のinboxを使用します。

grmail-get-new-mail)コマンドは、 指定されたinboxから現在のrmailファイルにメイルを併合します。 rmailファイルにinboxが指定されていなければ、gは何もしません。 コマンドM-x rmailも、主rmailファイルに新着メイルを併合します。

普通のinboxでないファイルからメイルを併合するには、 C-u gのようにgキーに数引数を指定します。 すると、ファイル名を読み取り、そのファイルからメイルを併合します。 gに引数を指定したときには、 inboxファイルを削除したり変更したりしません。 したがって、これは、メッセージファイルを別のメッセージファイルへ 併合する一般的な方法です。