Milo は ARC ファームウェアのリトルエンディアン MIPS システムをブートさせるためのブートローダであり、現在 Jazz ファミリと SNI RM 200 に使われています。Milo は Alpha システムで使われる Milo と名前が同じで目的もほぼ同じですが、この二つの Milo にはそれ以外に共通点はありません。この二つは別々の人たちが開発しましたし、 コードも全く別々で、違うハードウェアプラットフォームで動作します。 この二つが同じ名前なのは、単に歴史的な「事故」というべきものです。
Milo は RM200C 以外の ARC プラットフォームでは必要なくなっています。 他のすべてのプラットフォームでは ECOFF カーネル (またはより新らしいファームウェア下では ELF カーネル) が、Milo や相当品の必要なしに直接実行可能です。RM200C ではファームウェアのおかしな振る舞いのため、Milo 0.27.1 がカーネルのブートのために引き続き必要です。
Milo のビルドの手順は、Milo パッケージの README ファイルに詳細にわたって書かれています。Milo はカーネルのヘッダファイルに多少の依存関係を持ちますが、 このヘッダファイルは時と共に変わるものですから、Milo は得てして簡単に作成できません。但し、Milo の配布ファイルには Milo と Pandora 両方のバイナリが含まれています。Milo のビルドは簡単ではありません。 もし Milo を自分で変更したいと言うことでなければ、とりあえずのお勧めは Milo tarball に含まれているバイナリを用いることです。
Pandora は技術文書のないシステムを解析することを主たる目的として開発された簡単なデバッガです。 Pandora には逆アセンブラやメモリダンプ機能などが含まれています。 単に Linux を使いたいだけならば、Pandora を (サイズは小さいですが) インストールする必要はないでしょう。